もつ鍋のもつの下処理は、塩でもみ洗いする、湯で下ゆでする、流水で洗い流す、の3つの工程でほぼ終わります。下ゆでの目安は、生のもつで約10分、ボイル済みのもつで約5分です。
もつ鍋のレシピのなかで、いちばん手間のかかる下ごしらえ(仕込み)がこの下処理です。ここでは、下処理が要る理由、3つの工程の手順、臭みが残るときに足す牛乳と小麦粉の使い方、シマチョウと小腸での違い、スーパーのボイルもつや冷凍もつをどう扱うかまでをまとめました。下処理を省きたい方向けに、下処理済みのもつの選び方も最後に載せています。
もつ鍋のもつに下処理が要るのは、臭みと余分な脂を落とすため
もつ鍋に使うもつ(牛の小腸や大腸)は、内臓なので表面に脂や汚れが付いた状態で売られていることがあり、それが臭みのもとになります。鍋に入れる前に洗ってゆでこぼすと、臭みのもとがスープに出る前に落とせます。
もつ鍋だけでなく、もつ煮込みでも同じ下処理をします。煮込みに向く部位と柔らかく煮る手順はもつ煮込みの部位はどこで紹介しています。
下処理なしで鍋に入れるとどうなるか
下ゆでをせずに鍋に入れると、もつの脂や汚れがそのままスープに溶け出します。スープが濁り、キャベツやニラなどほかの具にもにおいが移ります。脂も多く残るため、脂っこい鍋になります。
ただし、売っている時点で下処理が済んでいるもつもあります。どの状態のもつに何をすればよいかは、後半の「スーパーのボイルもつ・冷凍もつ・下処理済みのもつは、下処理が要るか」で表にしています。
もつ鍋のもつの下処理は3つの工程
基本の下処理は次の3つです。臭みの大半はこの3つで落ちます。冷凍のもつは、先に冷蔵庫で解凍してから始めてください。
- 塩でもみ洗いする:もつをボウルに入れて塩を振り、全体をもみ込むように洗います。ぬめりが取れたら、たっぷりの流水で塩と汚れを洗い流します
- 湯で下ゆでする:沸騰した湯にもつを入れてゆでます。目安は生のもつで約10分、ボイル済みのもつで約5分です。長ねぎの青い部分や生姜を一緒に入れると、においが残りにくくなります
- 流水で洗い流す:ざるにあげて湯を捨て、もう一度流水でもつを洗い、表面に残った脂や汚れを落とします。これで下処理は完了です
下ゆでの時間は、もつの状態で決める
| もつの状態 | 下ゆでの目安 | 注意すること |
|---|---|---|
| 生もつ(生のもつ) | 約10分 | 中まで火を通すつもりでゆでる |
| ボイル済みのもつ | 約5分 | 一度加熱されているので短めでよい |
| 冷凍のもつ | 解凍後、上のどちらかに合わせる | 凍ったまま湯に入れない |
時間はもつの量や厚みで変わります。ゆですぎると臭みだけでなくうま味も湯に流れ出るので、長くゆでれば良いわけではありません。時間がないときは、ゆでこぼしを何回か繰り返すだけでも臭みは減らせます。
臭みが残るときに足す2つの下処理(牛乳と小麦粉)
3つの工程のあとでもにおいが気になるときは、塩もみのあと、下ゆでの前に、牛乳と小麦粉の工程を足します。手間は増えますが、においの強いもつでも扱いやすくなります。
牛乳に漬ける
塩で洗ったもつをボウルに入れ、もつが浸るくらいの牛乳を注いで30分から1時間漬けます。牛乳はレバーの臭み取りにも使われる方法です。生のもつを漬けるときは、鮮度が落ちないよう冷蔵庫に入れておきます。漬け終わったら牛乳を捨て、水を替えながらもみ洗いし、牛乳のにおいが残らないよう流水でよく流します。
小麦粉をもみ込む
水気を切ったもつに小麦粉を振りかけ、全体にもみ込んでから流水で洗い流します。小麦粉は薄力粉でも強力粉でもかまいません。粉が汚れを絡め取るので、洗い流した水が濁らなくなるまで流します。このあと下ゆでに進みます。
シマチョウと小腸(マルチョウ)では、残したい脂の量が違う
もつ鍋に使うもつは、牛の小腸(マルチョウ)か牛の大腸(シマチョウ)が中心です。下処理の手順は同じですが、脂の量が大きく違うので、どこまで脂を落とすかが変わります。
| 部位 | エネルギー | 脂質 |
|---|---|---|
| 牛 小腸(マルチョウ)・生 | 268kcal | 26.1g |
| 牛 大腸(シマチョウ)・生 | 150kcal | 13.0g |
可食部100gあたりで、小腸の脂質は大腸の約2.0倍あります(26.1g÷13.0g)。小腸は脂がうま味そのものなので、下ゆでのあとに脂を全部こそげ落とすと、もつ鍋らしいコクがなくなります。表面の汚れと浮いた脂を洗い流す程度で止めます。
牛シマチョウは脂が少ない分、表面のひだの間をていねいにもみ洗いすることに時間を使います。部位そのものの違いはシマチョウとはとマルチョウとはで詳しく解説しています。
豚もつは、ゆでた状態で扱うのが標準
豚のもつは、胃と腸がボイル済みで流通するのが基本です。文部科学省の食品成分データベースでも、牛の小腸・大腸は「生」、豚の小腸・大腸は「ゆで」の状態で収載されています。豚もつを使う場合は、ボイル済みとして約5分の下ゆでから始めます。豚の部位の呼び名は豚ホルモンとはで扱っています。
スーパーのボイルもつ・冷凍もつ・下処理済みのもつは、下処理が要るか
買ったもつの表示で、やることが変わります。迷ったら、袋を開けたときのにおいで決めます。
| 表示・状態 | やること |
|---|---|
| 生(表示に加熱の記載がない) | 3つの工程をすべて行う。下ゆでは約10分 |
| ボイル済み・湯通し済み | 塩もみ洗いと約5分の下ゆでを行う。脂や汚れが残っていることがある |
| 冷凍のもつ | 冷蔵庫で解凍してから、生かボイル済みかの表示に合わせる |
| 「下処理済み」と書かれたもつ | 販売元の調理方法に従う。開封時ににおいが気になるときだけ、さっと湯通しする |
ボイル済みのもつは手間が少ない反面、しっかり加熱されている分、生のもつのようなぷりぷりした食感は出にくくなります。食感を優先するなら生のもつ、手間を減らすならボイル済みか下処理済みのもつ、という選び方になります。鍋用と焼肉用のホルモンの違いはホルモン鍋のホルモンは小腸にまとめています。
もつ鍋の具材は、キャベツ・ニラ・にんにく・唐辛子が定番
もつ鍋の具材の定番は、キャベツ、ニラ、にんにく、唐辛子(鷹の爪)の4つです。季節によってはキャベツの代わりに白菜を使い、食感を足したいときはもやしやごぼう、うま味を足したいときはきのこ類、豆腐を加えます。〆はちゃんぽん麺が定番です。
下処理が済んだら、鍋の底にキャベツを敷き、その上にもつ、最後にニラとにんにく、唐辛子の順で入れます。もつをキャベツの上にのせると、ゆっくり火が入って硬くなりにくくなります。ニラは食感を残すため最後に入れます。
キャベツは煮込むとかさが減るので大きめのざく切りにし、ニラは洗ってから約5cmに切ります。具材の選び方、追加したい具、2〜3人前の分量の目安はもつ鍋の具材にまとめています。もつ鍋に使う部位と歴史はもつ鍋の肉はどこの部位で扱っています。
下処理が済んだあとのスープの配合と作り方の手順は、もつ鍋のレシピ|醤油・味噌・塩のスープ3種と作り方の6手順にまとめています。だし800mlに合わせる調味料の分量を、醤油・味噌・塩の3種類載せています。
下処理を省くなら、下処理済みで届くもつを使う
ここまでの下準備は、塩もみから洗い流しまで含めると手間がかかります。伊達のくらのもつ鍋セットは、国産牛の小腸を下処理した状態でお届けするため、ご家庭での下処理は要りません。冷蔵庫で解凍したら、野菜と一緒に鍋に入れて約20分で仕上がります。
| もつ | 国産牛の小腸。一般的なカットの約1.5〜2倍の大粒 |
|---|---|
| 量 | 1セットで小腸300g+ちゃんぽん麺2玉(2〜3人前) |
| スープ | 九州醤油・あっさり塩・味噌・激辛麻辣の4種から選択 |
| 保存 | 真空パック・急速冷凍で約6ヶ月 |
1セットの小腸300gを2〜3人で分けると、1人あたり100〜150gです。量を決めるときの目安にしてください。仙台の店が作る博多の味で、累計13.4万食をお届けしています。
もつだけを買い足したい場合や、もつ煮込み・焼きにも使いたい場合は、国産牛ホルモン小腸(もつ単品)があります。こちらも下処理済み・小分け冷凍で、1パック300gです。
もつ鍋の下処理についてよくある質問
- もつ鍋のもつは下処理が必要ですか?
- 生のもつやボイル済みのもつは必要です。表面に付いた脂や汚れが臭みのもとになり、そのまま鍋に入れるとスープに溶け出します。「下処理済み」と書かれたもつは販売元の調理方法に従い、開封時ににおいが気になるときだけ湯通ししてください。
- もつの下処理の仕方は?
- 塩を振ってもみ洗いし、流水で流します。次に沸騰した湯で、生のもつは約10分、ボイル済みのもつは約5分下ゆでします。最後にざるにあげ、流水で洗って脂や汚れを落とせば完了です。臭みが残るときは、塩もみのあとに牛乳に30分から1時間漬ける工程と、小麦粉をもみ込んで洗う工程を足します。
- もつ鍋の下ゆでをしないとどうなりますか?
- もつの脂や汚れがスープに溶け出し、スープが濁ってにおいが付きます。キャベツやニラにもにおいが移り、脂が多く残るため、脂っこい鍋になります。
- もつの下ゆでは何分ですか?
- 生のもつで約10分、ボイル済みのもつで約5分が目安です。冷凍のもつは冷蔵庫で解凍してから、表示に合わせてゆでます。ゆですぎるとうま味も湯に流れ出るので、長くゆでれば良いわけではありません。
- スーパーのボイルもつも下処理したほうがいいですか?
- 塩もみ洗いと約5分の下ゆでをしたほうが、においは残りにくくなります。ボイル済みでも表面に脂や汚れが残っていることがあるためです。
- シマチョウの下処理は小腸と違いますか?
- 手順は同じです。違うのは脂の量で、牛の大腸(シマチョウ)の脂質は100gあたり13.0g、小腸は26.1gです。シマチョウはひだの間のもみ洗いをていねいに、小腸は脂を落としすぎないようにします。
まとめ
もつ鍋のもつの下処理は、塩でもみ洗い、湯で下ゆで、流水で洗い流す、の3工程です。下ゆでは生のもつで約10分、ボイル済みで約5分が目安で、冷凍のもつは解凍してから始めます。
においが残るときだけ、牛乳に漬ける工程と小麦粉をもみ込む工程を足します。小腸は脂がうま味なので落としすぎず、シマチョウはひだの間をていねいに洗います。下処理を省きたいときは、下処理済みで届くもつを使うのがいちばん早い方法です。
参考にした資料
文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)/うし[副生物]小腸・生、大腸・生、ぶた[副生物]小腸・ゆで、大腸・ゆで(2026年10月16日参照)
商品の内容は伊達のくらの商品ページの記載によります(2026年10月16日参照)。
※下ゆでの時間はもつの量や厚みで変わります。もつは中心まで十分に加熱してから食べてください。
