もつ鍋は、博多の郷土料理として有名ですが、その美味しさはもちろん、ヘルシーで美容にも良いといった側面も注目され、現在は全国的な人気を誇る料理となっています。しかし、もつ鍋は美味しいけれどもつ鍋に入っている「もつ」が何肉なのか、どんな部位が適しているのかが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、もつ鍋に使用されているもつの種類や部位、もつ鍋の美味しい食べ方についてご紹介します。
「もつ」とは
もつとは、鶏や豚、牛などの臓物、つまり内蔵のことです。もつは、ホルモンや畜産副生物とも呼ばれ、精肉とは区別されています。
もつにはさまざまな部位があり、例えば、焼き肉の定番である牛の舌である「タン」や焼き鳥の人気メニューである心臓部分の「ハツ」、スタミナ食材として知られる肝臓部分の「レバー」も、もつの一種です。
もつとホルモンの関係
もつは、ホルモンとも呼ばれるとご説明しましたが、ホルモンも鶏・牛・豚の臓物を指す言葉です。もつの語源は臓物(ぞうもつ)ですが、ホルモンの語源は、関西弁の「捨てるもの」を意味する「放るもん」に由来するとも言われています。また、かつてはスタミナが付く料理全般をホルモン料理と呼んでいたことから、生理的物質であるホルモンに由来するとする説もあります。
いずれにしろ、もつとホルモンは同じものであり、呼称が異なるだけなのです。
もつの代表的な食べ方「もつ鍋」の起源と特徴
もつと言えばもつ鍋というほど、もつ鍋は人気の高い料理です。では、もつ鍋はどのようなきっかけで誕生したメニューなのでしょうか。もつ鍋の起源や人気の秘密について確認していきましょう。
福岡の炭鉱で生まれた「ホルモン鍋」がもつ鍋の原型
もつ鍋のルーツは、戦後、福岡の炭鉱で作られていたホルモン鍋だと言われています。当時、炭鉱で働いていた朝鮮半島の人が、もつとニラなどの野菜を唐辛子とごま油で炒め、醤油で味付けをし、すき焼きのように煮込んだ料理を作っていました。このホルモン鍋と呼ばれていた料理が、もつ鍋へと発展していったのです。
現在のもつ鍋は、野菜もたっぷりとれる
ホルモン鍋から進化した現在のもつ鍋には、ニラだけでなく、たっぷりのキャベツやごぼう、ニンニクなどの野菜を入れます。また、ホルモン鍋では、もつは直接ごま油で炒めましたが、もつ鍋では下処理をしたもつをカツオや昆布などでとった出汁で煮込む形に変化しました。
締めはちゃんぽん麺
もつ鍋の特徴の1つは、締めにちゃんぽん麺を入れることです。ちゃんぽん麺は、ラーメンの麺よりも太く、強いコシのある麺で、モチモチとした食感を楽しめます。もつの旨みたっぷりのスープで煮込んだちゃんぽん麺は絶品です。
もつ鍋に入れるもつは何肉?どこの部位?
もつは、鶏や豚、牛の内臓を指す言葉であり、もつにはさまざまな部位があることをご説明してきました。では、もつ鍋に使われるもつは何のもつで、どこの部位なのでしょうか。
もつ鍋のもつは「牛もつ」
もつ鍋に使われるのは、牛のもつです。一般的に、豚のもつに比べ、牛もつのほうが柔らかく、臭みが少ないと言われています。そのため、もつ鍋には牛もつが使われているケースがほとんどです。
もつ鍋に使われることが多い部位とは
もつ鍋に使われることが多いのは、白もつと呼ばれる部位のもつです。もつは、肝臓(レバー)や心臓(ハツ)、舌(タン)などの赤色をした「赤もつ」と小腸や大腸などの脂肪分が多く、クセの少ない「白もつ」に分けられます。もつ鍋には、白もつが使われます。
・小腸
牛の小腸は「マルチョウ」、「シロ」、「コテッチャン」、「コプチャン」、「ヒモ」などと呼ばれます。小腸は、もつ鍋に最も使われることが多い部位です。マルチョウの呼び名の由来は、その形に由来します。大腸に比べて細く、柔らかいため、割かずに丸いまま用いることから丸腸(マルチョウ)と呼ばれているのです。
小腸は、弾力のあるプニュプニュとした独特の食感が特徴です。大腸に比べると脂肪が多いことから濃厚な旨みを楽しめます。
・大腸
牛の大腸は「シマチョウ」、「テッチャン」、「ダイテツ」などとも呼ばれます。また、大腸を「ホルモン」と呼ぶこともあります。シマチョウの由来は、表面にシマシマの模様があることです。
大腸は、小腸部分に比べて分厚いため、よりしっかりとした噛み応えを楽しめます。また、小腸に比べると脂肪分が少ないため、旨みやコクは十分に感じられるもののしつこ過ぎず、脂肪が苦手な人でも食べやすい部位です。
・赤センマイ
牛の第4胃袋です。「ギアラ」や「アカセン」とも呼ばれます。胃袋特有のコリコリとした歯ごたえが特徴ですが、小腸に近いため、甘味のある脂肪の旨みも味わえる部位です。
・上ミノ
ミノは、牛の第1胃袋のことで、上ミノとは胃袋の上部に当たる部位です。上ミノは、脂肪が少ないため淡白な味わいで、厚みがあり、コリコリとした歯ごたえを楽しめます。
・センマイ
牛の第3胃袋です。何枚ものヒダが重なっていることから「センマイ」と呼ばれています。脂肪がほとんどないため、カロリーが低く、コリコリとした独特の食感を楽しめる部位です。また、ほとんど臭みがない点もセンマイの特徴です。
もつ鍋の2つの種類とその特徴
もつ鍋は、使用するもつによって2つの種類に分けられます。1つは、上に紹介したようなさまざまな部位のもつを使う「ミックスもつ鍋」であり、もう1つは小腸だけを使う「小腸もつ鍋」です。
さまざまな部位のもつを使うミックスもつ鍋
ミックスもつ鍋は、小腸以外にも大腸やセンマイ、赤センマイ、上ミノなどをミックスしたもつ鍋です。ミックスもつ鍋に使われるもつの部位はお店によって異なり、もつの組み合わせや配合の割合も決まっているわけではありません。
ミックスもつ鍋の特徴は、さまざまな部位のもつが入っているため、プニュプニュとした食感やコリコリした食感など、部位によって異なる食感を楽しめる点です。また、小腸だけを使ったもつ鍋に比べると、脂肪が少ないため、比較的さっぱりとした味わいを楽しめます。
小腸だけを使う小腸もつ鍋
他の部位を使わずに、小腸だけを使った小腸もつ鍋の特徴は、小腸の特徴である甘さとコクのある旨みをたっぷり味わえる点です。プニュプニュとした食感と噛むたびにジュワッとお口に広がる旨みは、小腸もつ鍋ならではの醍醐味だと言えるでしょう。
小腸の脂肪が溶け出したスープは旨みたっぷりで、煮込んだ野菜や締めのちゃんぽん麺とも相性も抜群です。
もつに含まれる栄養素とは
もつは、美味しいだけでなく、女性にも嬉しいさまざまな栄養素が含まれている食材として知られています。もつに含まれる主な栄養素をご紹介しましょう。
豊富なたんぱく質とビタミン・ミネラル
もつは、内臓であり、内臓はたんぱく質でできています。そのため、精肉と同様、もつも筋肉や皮膚、血液などの組織を作り、体の機能を調整するホルモンなどの材料にもなるたんぱく質が豊富に含まれています。
また、もつの部位によって含まれる栄養素は多少変わってきますが、もつ鍋に使われることの多い小腸には、貧血を予防するビタミンB12をはじめとしたビタミンB群、粘膜を健康に保つ作用を持つナイアシンなどが豊富です。そのほか、ナトリウムやカリウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。
女性に嬉しい効果も
もつには、肌の弾力を高め、老化を抑制する働きのあるコラーゲンがたっぷり含まれています。また、コラーゲンを摂取する際には、コラーゲンの生成をサポートするビタミンCを一緒に摂るとさらに効果的です。
もつ鍋にすると、もつに含まれるコラーゲンとニラやキャベツに含まれているビタミンCがスープに溶け出します。もつ鍋を食べるときは、スープも一緒に楽しむと美肌効果をより期待できるでしょう。
美味しいもつ鍋の食べ方
もつ鍋はお店で食べるものと思われている方も多いかもしれません。なぜなら、もつ料理には丁寧な下処理が欠かせないからです。
しかし、下処理済みのもつを使えば、ご家庭でも手軽に美味しいもつ鍋を楽しめます。お店に負けない美味しいもつ鍋を楽しみたい方には伊達のくらの「国産牛もつ鍋セット」がおすすめです。
最高クラスの大粒トロホルモン入りの「国産牛もつ鍋セット」
伊達のくらでは、丁寧に水洗いをし、もつの臭みを抑えた国産牛のもつ鍋セットを提供しています。国産牛の小腸のみを使った国産牛もつ鍋セットは、もつの旨みを十分に堪能できるよう、もつを一般的なもつ鍋に使われる大きさと比べ、2倍程度の大きさにカットしています。しっかりと脂ののった、とろけるような味わいとプリプリの噛み応えを楽しんでいただけます。
<国産牛もつ鍋セット つくね付き>
大粒の国産牛小腸、スープ、ちゃんぽん麺、ニンニク、唐辛子、白ごまが入ったセットです。スープは、九州醤油スープ、あっさり塩スープ、味噌スープの中からお選びいただけます。
もつ鍋は味のバリエーションも豊富
もつ鍋の王道と言えば、醤油味です。しかし、味噌味のもつ鍋や塩味のもつ鍋などもあり、もつ鍋のスープをアレンジすれば、さまざまな味わいを楽しめます。
・醤油もつ鍋
初めてもつ鍋を食べるという方には、オーソドックスな醤油ベースのスープがおすすめです。醤油をベースにしたコクのあるスープにもつの旨みと野菜の甘さが溶け出し、もつ鍋ならではの味わいを楽しめます。
・味噌もつ鍋
いつものもつ鍋よりも、さらにコクのある、こってりとした味を楽しみたい方におすめしたい味付けが、味噌味のもつ鍋です。ニンニクや唐辛子を効かせた濃い目のスープにもつの旨みが一体となり、パンチの効いた味わいを楽しめます。
・あっさり塩もつ鍋
塩ベースのスープを使った塩もつ鍋は、もつの脂やしつこさが気になる方にもおすすめしたい、あっさりとした味わいのもつ鍋です。優しい味付けの塩もつ鍋は、素材の味をストレートに感じることができ、もつのプリプリとした食感や野菜の甘みをより感じやすく、最後まで飽きずに食べられます。
・辛いお鍋が好きな人におすすめの激辛麻辣味
辛いものが好きな人におすすめしたいのが、麻辣味のもつ鍋です。辛さの中にも、ほんのり甘いもつの旨みを感じられ、いつもとは一味違うもつ鍋を堪能できます。
伊達のくらの「【激辛】牛もつ鍋セット麻辣味」のスープには、四川赤花椒、赤唐辛子、四川豆板醤、ジョロキアといった4つの辛み成分に加え、ニンニクやショウガ、香味野菜、魚醤などの旨みもたっぷり含まれています。
<【激辛】牛もつ鍋セット 麻辣味 >
辛味漬にされた国産牛もつ、麻辣スープ、辛味パウダー、ニンニク、焙煎ゴマ、サリ麺が入ったセットです。辛味パウダーを使い、お好みの辛さに調整していただけます。また、麻辣味のもつ鍋には、ちゃんぽん麺に代えて、辛いスープと相性抜群の韓国の鍋用麺のサリ麺が付いています。
締めはちゃんぽん麺または雑炊で
もつ鍋の締めと言えばちゃんぽん麺です。ツルツルとしたのど越しが楽しめるちゃんぽん麺は、お腹がいっぱいになった後でも食べやすいといった魅力もあります。また、最後はお米で締めたいという場合には雑炊もおすすめです。
・煮込みちゃんぽん麺
もつ鍋のスープには、もつの旨みや野菜の甘み、もつや野菜に含まれているビタミン類やコラーゲンなどが溶け出しています。旨みも栄養もたっぷり含んだスープも余さず味わいましょう。スープをたっぷり吸いこんだ太めのちゃんぽん麺は、モチモチとした弾力も楽しめ、もつ鍋の締めに最適です。
伊達のくらの「国産牛もつ鍋セット」は、締めのちゃんぽん麺もセットになっています。
・雑炊
残ったスープにご飯を入れれば、もつや野菜の旨みを残さず丸ごと食べられる雑炊ができます。スープにご飯を入れてひと煮たちさせた後に、溶き卵やネギなどを加え、ふたをして少し蒸らせば、コクのある絶品雑炊の完成です。ご飯は予め水で洗っておくと、粘りを抑えられ、さらっとした雑炊が作れます。
まとめ
もつには、たんぱく質のほか、ビタミン類、ミネラルといった栄養素が豊富に含まれています。もつが主役のもつ鍋は、キャベツやニラなどの野菜もたっぷり入れるため、野菜のビタミン類や食物繊維も摂取できるヘルシーな一品です。また、基本の醤油味からこってりとした味噌味、あっさりとした塩味、辛さが美味しい麻辣味と味のバリエーションが豊富な点ももつ鍋の魅力の1つと言えるでしょう。
伊達のくらの国産牛もつ鍋セットは、下処理を済ませた噛み応え十分のプリプリとしたもつとスープ、ちゃんぽん麺がセットになっているため、野菜を揃えるだけで、本格的なもつ鍋を楽しめます。お家でお店のようなもつ鍋を手軽に楽しみたい方に、ぜひお試しいただきたいセットです。
伊達のくら
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