豚ハラミとは、豚の横隔膜にあたる部位です。牛ハラミと同じ場所の肉で、豚のほうが薄く、量も少なくなります。焼肉店では「豚ハラミ」「サガリ」の名で出され、赤身に近いあっさりした味が特徴です。
この記事で押さえておきたいのは、豚ハラミのカロリーは公的な数値としては存在しないという点です。食品成分表に載っている「横隔膜」は牛の3件だけで、豚の横隔膜は収載されていません。検索して出てくる数値がサイトごとに違うのはこのためです。以下では実際に成分表を確認した結果と、代わりに使える参考値を扱います。
豚ハラミとは?豚の横隔膜にあたる部位
豚ハラミは、豚の横隔膜を指す焼肉の部位名です。横隔膜は肺の下にあって呼吸のたびに動く筋肉で、内臓と胸部を仕切る膜の役割をしています。分類上は内臓(副生物)ですが、見た目も食感も赤身肉に近く、ホルモンが苦手な人でも食べやすい部位です。
豚ハラミはどこの部位?
豚の胴体の中ほど、肋骨の内側から背骨に向かって広がる膜が横隔膜です。一頭から取れる量は数百グラム程度で、牛と比べても取れる量は少なくなります。常に動いている筋肉なので血液が多く通っており、それが色の濃さと味の濃さにつながっています。
牛ハラミとの違い
部位としては同じ横隔膜です。違いは厚みと脂の量、そして一枚の大きさにあります。豚のほうが体が小さいぶん膜も薄く、牛ハラミのような厚切りにはなりません。味は牛ハラミより淡く、豚肉らしい甘みが出ます。
| 比較項目 | 豚ハラミ | 牛ハラミ |
|---|---|---|
| 部位 | 豚の横隔膜 | 牛の横隔膜 |
| 厚み | 薄い | 厚い |
| 味 | 淡く、豚の甘みが出る | 濃い赤身の味 |
| 成分表の収載 | なし | あり(生・ゆで・焼き) |
| 別名 | サガリ | サガリ |
豚ハラミのカロリーが成分表に載っていない
「豚ハラミ カロリー」で調べると、サイトによって100gあたり100kcal台から300kcal台までばらつきます。原因ははっきりしていて、元になる公的な数値が存在しないためです。
成分表の「横隔膜」は牛の3件だけ
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の本表を確認したところ、「横隔膜」という語を含む収載は3件で、いずれも「うし[副生物]」でした。生・ゆで・焼きの3状態がそろっており、備考欄には「別名:はらみ、さがり」と記されています。豚の横隔膜にあたる項目は存在しません。
豚の副生物として収載されているのは、舌・心臓・肝臓・じん臓・胃・小腸・大腸・子宮・豚足・軟骨・頭部の11種類です(頭部だけ生と焼きの2件があるため、収載件数としては12件になります)。この一覧に横隔膜は含まれていません。
確認方法:文部科学省が公開している日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の第2章データ(Excel)を取得し、食品名と備考のすべてを対象に「横隔膜」を検索しました。該当は「うし[副生物]横隔膜 生/ゆで/焼き」の3件のみです(2026年8月13日確認)。
代わりに使える参考値
豚ハラミそのものの値はありませんが、位置づけをつかむための手がかりはあります。豚ハラミは赤身寄りで脂は多くない部位なので、豚バラより低く、豚の赤身系に近いあたりに来ると考えるのが自然です。
| 部位(生100g) | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 鉄 |
|---|---|---|---|---|
| 牛の横隔膜(牛ハラミ) | 288 kcal | 14.8 g | 27.3 g | 3.2 mg |
| 豚バラ(脂身つき) | 366 kcal | 14.4 g | 35.4 g | 0.6 mg |
| 豚トロ(ジョウルミート) | 256 kcal | 17.4 g | 22.3 g | 0.5 mg |
| 豚タン | 205 kcal | 15.9 g | 16.3 g | 2.3 mg |
| 豚ハツ(心臓) | 118 kcal | 16.2 g | 7.0 g | 3.5 mg |
出典:文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)/うし[副生物]横隔膜・生、ぶた[大型種肉]ばら・脂身つき・生、ぶた[副生物]頭部 ジョウルミート・生、舌・生、心臓・生。2026年8月13日参照。
豚の副生物は、豚バラのような脂身の多い部位よりも数値が低くなります。豚タン205kcal、豚ハツ118kcalがその例です。豚ハラミも赤身寄りの部位なので、豚バラの366kcalよりは低い側に来ると見るのが妥当です。ただしこれは推測であり、確定した数値ではありません。カロリー計算が必要な場合は、購入した商品の栄養成分表示を確認してください。
豚ハラミのおいしい焼き方
豚ハラミは薄いので、短時間で焼き上げるのが基本です。牛ハラミの感覚で厚焼きにしようとすると、水分が抜けて硬くなります。
- 強めの中火で片面ずつ手早く焼く。薄いので火の通りは早めです
- 返すのは一度。何度も返すと肉汁が逃げます
- 豚肉は中心部まで十分に加熱する。牛ハラミのように赤い状態で止めないでください
- 繊維を断つ向きに切る。横隔膜は繊維がはっきりしているため、向きを間違えると噛み切りにくくなります
豚肉は生や半生では食べられません。牛ハラミとは焼き止めの判断が変わる点に注意してください。他の部位の火加減はホルモンのおいしい焼き方を解説した記事にまとめています。
「サガリ」という呼び名の重なり
豚ハラミも牛ハラミも、厚い部分を「サガリ」と呼び分けることがあります。同じ横隔膜の別の場所を指す呼び名で、店によって扱いが変わります。
牛の場合、成分表は横隔膜の備考に「別名:はらみ、さがり」と併記しており、ハラミとサガリを区別していません。この呼び分けの詳細はサガリとはどこの部位かを解説した記事で扱っています。牛ハラミそのものについてはハラミはどこの部位かを解説した記事をご覧ください。
専門店の豚ハラミは食べ比べセットに入っています
伊達のくらのホルモン5種 食べ比べセットには、牛3種(シマチョウ・アカセンマイ・ミノ)に加えて豚2種として豚ハラミと豚トロが入っています。味付けなしの素材のまま、部位別の個別真空パックで届くので、豚ハラミそのものの味を確かめられます。
| 内容 | 牛3種(シマチョウ・アカセンマイ・ミノ)+豚2種(豚トロ・豚ハラミ) |
|---|---|
| 味付け | なし。素材のまま |
| 包装 | 部位別の個別真空パック |
| 容量 | 1セット 100g × 各1パック/2セット/3セット |
| 価格 | 1セット 2,980円から(税込) |
| 使い方 | 焼肉・バーベキュー・炒め物 |
牛のハラミを厚みのある状態で味わいたい場合は、味付き焼肉 牛ハラミを用意しています。
豚ハラミについてよくある質問
- 豚ハラミはどこの部位ですか?
- 豚の横隔膜にあたる部位です。肺の下にあり、内臓と胸部を仕切る膜の役割をしています。分類上は内臓(副生物)ですが、見た目も食感も赤身肉に近い部位です。
- 豚ハラミのカロリーはどのくらいですか?
- 公的な数値は存在しません。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年に収載されている「横隔膜」は牛の3件(生・ゆで・焼き)のみで、豚の横隔膜の項目はありません。カロリー計算が必要な場合は、購入した商品の栄養成分表示をご確認ください。
- 豚ハラミと牛ハラミの違いは何ですか?
- 部位としてはどちらも横隔膜で同じです。豚のほうが膜が薄く、一枚が小さくなります。味は牛ハラミより淡く、豚肉らしい甘みが出ます。
- 豚ハラミは太りますか?
- 公的な数値がないため断定はできません。豚の副生物は豚バラ366kcalのような脂身の多い部位より低い傾向にあり、豚タン205kcal、豚ハツ118kcalがその例です。豚ハラミも赤身寄りの部位なので豚バラよりは低い側と見られますが、確定した値ではありません。
- 豚ハラミとサガリは同じものですか?
- どちらも横隔膜を指す呼び名で、厚い部分をサガリと呼び分けることがあります。牛の場合、成分表は横隔膜の備考に「別名:はらみ、さがり」と併記しており、両者を区別していません。
- 豚ハラミは赤い状態で食べられますか?
- 食べられません。豚肉は中心部まで十分に加熱してください。牛ハラミのように中心を赤く残す焼き方はしないでください。
- 豚ハラミを硬くせずに焼くにはどうすればよいですか?
- 薄い部位なので、強めの中火で片面ずつ手早く焼き、返すのは一度にします。切るときは繊維を断つ向きにしてください。ただし中心部までは必ず火を通してください。
まとめ
豚ハラミは豚の横隔膜にあたる部位です。牛ハラミと同じ場所の肉ですが、豚のほうが膜が薄く、一枚が小さくなります。味は淡く、豚肉らしい甘みが出ます。
カロリーを調べるときは注意が要ります。食品成分表に収載されている「横隔膜」は牛の3件だけで、豚の横隔膜は載っていません。豚の副生物として載っているのは舌・心臓・肝臓・じん臓・胃・小腸・大腸・子宮・豚足・軟骨・頭部の11種類だけです。検索して出てくる数値がばらつくのは、元になる公的な値が無いためです。
焼くときは、牛ハラミとの違いを意識してください。薄いので短時間で、そして中心部まで火を通す。牛のように赤い状態で止めないこと。この2点を押さえれば、赤身に近いあっさりした持ち味がそのまま出ます。
参考にした資料
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章データ/うし[副生物]横隔膜・生、ぶた[大型種肉]ばら・脂身つき・生、ぶた[副生物]頭部 ジョウルミート・生、舌・生、心臓・生。豚の横隔膜が収載されていないことは、同データの食品名と備考の全件検索により確認(2026年8月13日)
※本記事は食品の一般的な情報を提供するものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康状態や食事内容について不安がある場合は、医師・管理栄養士にご相談ください。
