ミノとは、牛の第一胃にあたるホルモンの部位です。牛には胃が4つあり、そのうち最も大きい一つ目がミノにあたります。食品成分表では「うし[副生物]第一胃」として収載され、備考欄に「別名:みの、がつ」と書かれています。
この記事では、ミノがどこの部位なのか、他の胃と何が違うのかを数値で扱います。ゆで100gあたりのたんぱく質24.5gは胃4つの中で最も高く、いちばん低いギアラの2.2倍でした。栄養の数値は文部科学省の食品成分データベースから引いています。
ミノとは?牛の第一胃にあたる部位
ミノは、牛の4つある胃のうち一つ目にあたる部位です。白く分厚い肉質で、コリコリとした強い歯ごたえがあります。ホルモンの中では脂が少なく、味にくせが出にくいため、ホルモンに慣れていない人でも食べやすい部位として知られています。
ミノはどこの部位?
牛は草を消化するために4つの胃を持っています。そのうち容積がいちばん大きいのが第一胃で、これがミノです。胃全体の8割ほどを占めるとされ、内側には無数の突起があります。厚みのある白い壁がそのまま食感になります。
特に厚みのある部分は「上ミノ」として分けて売られます。上ミノは同じ第一胃の中でも肉厚な箇所を選んだもので、別の部位ではありません。
「ミノ」という名前の由来
切り開いたときの形が、雨具の蓑(みの)に似ていることから付いた名前とされます。ホルモンの部位名には「ハチノス(蜂の巣状の見た目)」「シマチョウ(表面のシマ模様)」のように見た目に由来するものが多く、ミノもその一つです。
「ガツ」と呼ばれることもある
成分表の備考欄には「別名:みの、がつ」と書かれています。ただし注意が要るのは、ガツは豚の胃を指す呼び名としても使われる点です。豚の胃は成分表では「ぶた[副生物]胃 ゆで」という別の項目になっています。焼肉店で「ガツ」と書かれていたら、牛か豚かを確かめてください。
牛の胃4つでたんぱく質は2.2倍ちがう
牛の4つの胃は、それぞれ別の名前と別の栄養を持っています。同じ「胃」でも中身はまったく違います。
| 部位(呼び名) | 状態 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 鉄 | 亜鉛 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第一胃(ミノ) | ゆで | 166 kcal | 24.5 g | 8.4 g | 0.7 mg | 4.2 mg |
| 第二胃(ハチノス) | ゆで | 186 kcal | 12.4 g | 15.7 g | 0.6 mg | 1.5 mg |
| 第三胃(センマイ) | 生 | 57 kcal | 11.7 g | 1.3 g | 6.8 mg | 2.6 mg |
| 第四胃(ギアラ) | ゆで | 308 kcal | 11.1 g | 30.0 g | 1.8 mg | 1.4 mg |
出典:文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)/うし[副生物]第一胃・ゆで、第二胃・ゆで、第三胃・生、第四胃・ゆで。2026年8月13日参照。
ミノはたんぱく質が最も高い
ミノのたんぱく質24.5gは、4つの胃で最も高い値です。いちばん低いギアラの11.1gと比べると2.2倍あります。脂質は8.4gで、センマイの1.3gに次いで低い側です。高たんぱくで脂は少なめという組み合わせが、ミノの数値上の特徴になります。
亜鉛も4.2mgで4つの中では最も高い値でした。参考までに、牛の副生物全体(15項目)で見るとたんぱく質はミノが2位、亜鉛も2位です。1位はたんぱく質が腱(すじ)のゆで31.0g、亜鉛が尾(テール)の生4.3mgで、いずれもわずかな差でした。
脂質は胃4つで23倍の開きがある
脂質はセンマイ1.3gからギアラ30.0gまで、23倍の開きがあります。「ホルモンは脂っこい」とまとめられがちですが、胃だけを見てもこれだけ差があります。ミノの8.4gは、この幅の下から2番目です。
数値を読むときの注意:第三胃(センマイ)だけ成分表に「生」の値しかなく、他の3つは「ゆで」の値です。ゆでると水分が抜けて同じ100gあたりの数値が上がるため、センマイと他の3つを直接は比べられません。表では比較のために並べていますが、位置づけの目安として見てください。
4つの胃それぞれの特徴や食べ方は、ホルモンともつの違いを解説した記事で詳しく扱っています。
ミノと他のホルモンの違い
ミノは胃の部位なので、腸の部位とは食感も数値も別物になります。腸は脂で食べる部位、ミノは歯ごたえで食べる部位という違いです。
| 比較項目 | ミノ(第一胃) | マルチョウ(小腸) |
|---|---|---|
| 部位 | 牛の第一胃 | 牛の小腸 |
| 食感 | コリコリと強い歯ごたえ | やわらかく脂がはじける |
| たんぱく質 | 24.5 g(ゆで) | 9.9 g(生) |
| 脂質 | 8.4 g(ゆで) | 26.1 g(生) |
| 向く料理 | 焼肉・炒め物 | もつ鍋・焼肉 |
小腸と大腸についてはマルチョウを解説した記事とシマチョウを解説した記事で扱っています。
ミノのおいしい焼き方
ミノは厚みがあって火が通りにくいので、切り込みを入れてから焼くのが基本です。市販のミノに格子状の切り込みが入っているのは、火通りと噛み切りやすさのためです。
- 切り込みが入っている面から焼く。入っていない場合は自分で格子状に入れます
- 強火で短時間。ふちが反り返って白く色が変わったら食べごろです
- 焼きすぎない。火を入れすぎると水分が抜けてゴムのように硬くなります
- 塩やレモンで食べる。脂が少ないので、たれよりも素材の味が出ます
部位ごとの火加減はホルモンのおいしい焼き方を解説した記事にまとめています。
専門店のミノは食べ比べセットに入っています
伊達のくらのホルモン5種 食べ比べセットには、ミノと第四胃のアカセンマイ、大腸のシマチョウという牛3種に、豚トロと豚ハラミを加えた5部位が入っています。味付けなしの素材のまま、部位別の個別真空パックで届くので、この記事の表にある胃の部位を実際に食べ比べられます。
| 内容 | 牛3種(シマチョウ・アカセンマイ・ミノ)+豚2種(豚トロ・豚ハラミ) |
|---|---|
| 味付け | なし。素材のまま |
| 包装 | 部位別の個別真空パック |
| 容量 | 1セット 100g × 各1パック/2セット/3セット |
| 価格 | 1セット 2,980円から(税込) |
| 使い方 | 焼肉・バーベキュー・もつ鍋・炒め物 |
ミノについてよくある質問
- ミノはどこの部位ですか?
- 牛の第一胃にあたる部位です。牛には胃が4つあり、そのうち容積が最も大きい一つ目がミノです。食品成分表では「うし[副生物]第一胃」として収載され、備考欄に「別名:みの、がつ」と記されています。
- ミノと上ミノの違いは何ですか?
- 同じ第一胃です。上ミノは第一胃の中でも特に肉厚な箇所を選んだもので、別の部位ではありません。
- ミノのカロリーはどのくらいですか?
- ゆで100gあたり166kcalです。たんぱく質24.5g、脂質8.4gで、牛の胃4つの中ではたんぱく質が最も高く、脂質は下から2番目になります。
- 牛の胃4つで栄養はどう違いますか?
- たんぱく質はミノ24.5gが最も高く、ギアラ11.1gの2.2倍です。脂質はセンマイ1.3gからギアラ30.0gまで23倍の開きがあります。ただしセンマイだけ成分表の値が「生」で、他の3つは「ゆで」のため直接は比べられません。
- ミノとガツは同じものですか?
- 成分表は第一胃の別名としてミノとガツを併記していますが、ガツは豚の胃を指す呼び名としても使われます。豚の胃は「ぶた[副生物]胃」という別の項目です。表記を見かけたら牛か豚かを確かめてください。
- ミノは脂っこいですか?
- 脂は少ない部位です。ゆで100gあたりの脂質は8.4gで、小腸(マルチョウ)の26.1g、大腸(シマチョウ)の13.0gより低い値になります。
- ミノを硬くせずに焼くにはどうすればよいですか?
- 格子状の切り込みを入れてから、強火で短時間焼きます。ふちが反り返って白く色が変わったら食べごろです。火を入れすぎると水分が抜けて硬くなります。
まとめ
ミノは牛の第一胃にあたる部位です。4つある胃のうち最も大きく、切り開いた形が蓑に似ていることが名前の由来とされます。特に肉厚な箇所は上ミノとして分けられますが、部位としては同じ第一胃です。
数値で見ると、ゆで100gあたりのたんぱく質24.5gは胃4つで最も高く、ギアラの11.1gの2.2倍。脂質は8.4gで下から2番目です。胃だけを見ても脂質は1.3gから30.0gまで23倍の開きがあり、「ホルモン=脂っこい」でひとくくりにはできません。
厚みがあるぶん火が通りにくいので、切り込みを入れて強火で短時間。ふちが反り返ったところで止めれば、コリコリした持ち味がそのまま残ります。脂が少ないので、たれより塩やレモンのほうが素材の味が出ます。
参考にした資料
文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)/うし[副生物]第一胃・ゆで、第二胃・ゆで、第三胃・生、第四胃・ゆで、小腸・生、大腸・生、腱・ゆで、尾・生(2026年8月13日参照)
※本記事は食品の一般的な情報を提供するものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康状態や食事内容について不安がある場合は、医師・管理栄養士にご相談ください。
