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牛タンにはなぜ麦飯ととろろ?美味しいだけじゃないメリットを解説

仙台の牛タン焼き定食には、麦飯ととろろがセットになっています。白米に大麦を混ぜて炊いた麦飯は、なんとなく健康に良さそうというイメージがありますが、実際にどのような栄養的特徴があり、牛タンやとろろと組み合わせることでどのようなメリットが期待できるのか、詳しく知る人は多くないでしょう。

サクッとジューシーな牛タンとプチプチっとした麦飯、そしてツルツルとのど越しのよいとろろの組み合わせは抜群の美味しさを作り出します。実は、牛タンと麦飯ととろろの組み合わせは、美味しいだけではなく、栄養面でもたくさんのメリットがあるのです。

今回は、とろろや麦飯が持つ健康効果や、牛タンと組み合わせるメリットについて解説します。

なぜ牛タンには麦飯?

まずは、なぜ牛タン定食には白米ではなく、麦飯が提供されるのか、麦飯×牛タンの謎から確認していきましょう。

牛タン定食で麦飯が提供される歴史的背景

牛タン定食は、牛タンに麦飯ととろろ、テールスープ、南蛮味噌、浅漬けが定番の組み合わせです。厚焼きの牛タンといえば麦飯ですが、なぜ、麦飯がセットになったのでしょうか。

牛タンに麦飯がセットになった背景には歴史的な事情が関係します。仙台で牛タン焼きが誕生したのは昭和23年のことだといわれています。

戦後の混乱期において、白米は非常に貴重な食材でした。白米の入手が難しかった当時「お客様にお腹いっぱい食べてほしい」、そんな思いから牛タン定食に組み合わされたのが白米よりも手に入れやすい麦だったのです。麦は、白米に比べて圧倒的に入手しやすく、価格も安く抑えられていました。

牛タン焼きに麦飯がセットになったのは、戦後の食糧難の中で、できるだけ安く美味しいものを提供したいという牛タン焼きの考案者の思いに由来します。当時の牛タン焼きに組み合わされていた麦飯が、今も受け継がれているというわけです。

なぜ今でも牛タンに麦飯がセット?

白米が手軽に入手できるようになった今でも、牛タン焼きには麦飯がセットになっているケースが多くなっています。これは、麦飯と牛タンの相性がよいからという理由もありますが、牛タンと麦飯は栄養面でも魅力的な組み合わせなのです。

麦飯に使われる麦は大麦であり、大麦には白米にはほぼ含有されていない「βグルカン」が豊富に含まれています。このβグルカンはさまざまな健康効果が期待できます。

βグルカンとは

では、βグルカンの特徴や健康効果を確認していきましょう。

βグルカンの特徴

βグルカンは、ブドウ糖が連結した多糖類で、食物繊維の一種です。食物繊維は胃や小腸では消化・吸収されず、大腸まで届きます。白米にもブドウ糖は含まれていますが、白米に含まれるのはαグルカンと呼ばれる多糖類です。αグルカンはβグルカンと異なり、消化酵素で分解される性質があるため、身体のエネルギー源としての役割を持ちます。しかし、きれいに精製された白米にはβグルカンのような食物繊維がほとんど含まれていないため、体内で素早く分解され、血糖値を急激に上昇させやすいなどのデメリットがあります。

白米に大麦が混ぜられている麦飯は、αグルカンで身体のエネルギー源を補給しつつ、βグルカンによって糖質の吸収を穏やかにする、理想的な主食だといえます。

βグルカンの4つの健康効果

大麦由来のβグルカンには、主に次の4つの健康効果が期待できます。

        血中コレステロールの正常化

        血糖値の上昇抑制

        満腹感の維持

        腸内環境の改善

血中コレステロールの正常化

コレステロール値の高い人がβグルカンを摂取すると、血中コレステロール値を下げる働きが期待できます。

肝臓ではコレステロールを原料に胆汁酸を作り、作られた胆汁酸は小腸に送り込まれます。胆汁酸は、脂肪や脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがありますが、役割を終えると再び吸収されて肝臓に戻ります。胆汁酸はリユースされるため、肝臓はコレステロールを血液から取り込む必要がなく、結果として血液中のコレステロールの量は減りにくくなります。

しかし、水に溶けるとどろどろとしたゲル状になるβグルカンは、小腸に入ると胆汁酸を吸着し、そのまま体外に排出します。すると、肝臓は不足した胆汁酸を補うため、血液中からコレステロールを積極的に取り込むようになり、結果として血中コレステロール値の低下につながると考えられています。

大麦に含まれるβグルカンは、水に溶けるとαグルカンを包み込むような働きがあるとされています。βグルカンによって包み込まれると、消化酵素が働きにくくなり、吸収されるまでに長い時間がかかり、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きが期待できます。

また、βグルカンには、間接的に血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの分泌に関わる働きもあるとされ、この点からも血糖値の安定に貢献しています。

満腹感の維持

βグルカンは、胃に入ると水分を吸収して大きく膨らむ性質があります。また、どろどろとした粘り気の強い状態になるため、腸に移動するまでに時間がかかり、長く胃腸に留まり、満腹感を維持しやすくなるといわれています。

また、βグルカンには脳の満腹中枢に作用して食欲を抑える効果を持つGLP-1と呼ばれる消化管ホルモンの分泌を促進する効果もあることから、ダイエット中の食事にも取り入れやすいといわれています。

腸内環境の改善

βグルカンは、胃や小腸では吸収されず、大腸まで届きます。大腸に到達すると、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、善玉菌を増殖させ、腸内環境の改善、維持に役立つと考えられています。また、善玉菌の活動が活発になると、短鎖脂肪酸が作られ、腸のぜん動運動が活発化し、大腸のバリア機能の維持にも関わるとされています。

なぜ麦飯ととろろは好相性?栄養面から解説

麦に含まれるβグルカンの効果をご紹介してきましたが、ここではなぜ、牛タンの麦飯にとろろが添えられるのか、とろろの持つ健康効果をご紹介します。

とろろに豊富な栄養素

とろろとは、山芋や長芋、大和芋、自然薯などをすりおろした食材です。とろろにも、食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、カリウム、ナイアシン、ビオチンなどの栄養素が豊富に含まれています。

麦飯のβグルカンは水溶性の食物繊維ですが、とろろには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれているという特徴があります。

とろろのアミラーゼで消化促進

アミラーゼとは、炭水化物を分解する酵素ですが、とろろにはアミラーゼが豊富に含まれています。実は、麦にもアミラーゼは豊富に含まれているものの、アミラーゼは熱に弱いため、麦飯の状態になると消化酵素としての働きは期待できません。

麦飯は白米に比べて食物繊維を多く含み、消化・吸収が緩やかになりやすい一方、生のまますりおろして食べるとろろにはアミラーゼが含まれています。そのため、麦飯ととろろを一緒に摂ることで、とろろに含まれるアミラーゼがでんぷんの消化をサポートすると考えられます。

麦飯×とろろで健康効果アップの期待

麦飯ととろろを一緒に食べると、アミラーゼによる消化促進効果のほかにも、血糖値の急上昇を抑える働きや、腸内環境の改善など、さらなる健康効果が期待できます。

とろろには、レジスタントスターチと呼ばれる難消化性のでんぷんが含まれています。レジスタントスターチは、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑える働きが期待され、さらに善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立つとされています。また、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を同時に摂取できるため、腸の動きが活発化し、便通の改善にもつながるでしょう。

夏こそ「牛タン×麦飯×とろろ」は最強の組み合わせ

麦飯にもとろろにもさまざまな栄養素が含まれており、両者を同時に食べると、より高い効果を得られます。また、牛タンに麦飯ととろろを合わせれば、夏には特に嬉しい効果を期待できます。

食欲が落ちやすい夏もとろろで食べやすい

暑い夏は食欲が減退しがちです。しかし、暑いからといって冷たいものばかりを食べていると夏バテしやすく、だるさや疲労感を覚えやすくなります。牛タン焼きの香ばしい香りは食欲をそそり、ツルツルとのど越しのよいとろろは、夏の食欲不振の解消に最適です。

牛タンに豊富に含まれるタンパク質は、筋肉や血液の材料となるため、夏バテ対策にも欠かせない栄養素です。また、牛タンには糖質をエネルギーに変える働きを助けるビタミンB1も多く、夏バテによるだるさ対策にも役立つとされています。さらに、とろろに含まれるアミラーゼは、冷たいものの摂り過ぎで消化機能が低下している胃腸を助け、胃もたれの予防にもつながると考えられます。

麦飯にはビタミンやミネラルが豊富

夏は、汗をかくため、水分と一緒にカリウムやマグネシウムなどのミネラルが流出します。

麦飯には、カリウムやマグネシウムも豊富に含まれているため、汗で失ったミネラルを補う効果も期待できます。

また、夏は冷房による血行不良や冷たいものの摂り過ぎなどによって、身体がむくみやすい季節でもあります。麦飯だけでなく、とろろにも余分な塩分を排出してむくみ対策に役立つカリウムが豊富に含まれています。そのため、塩分を含む牛タンと一緒に食べても塩分の排出を助け、むくみ対策にもつながるでしょう。

また、牛タンにおすすめの付け合わせや薬味については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご一読ください。

<関連記事>牛タンにおすすめの付け合わせや薬味を紹介!牛タンをさらにおいしく

まとめ

牛タンと麦飯、とろろをセットで食べることで得られる健康効果について解説してきました。麦飯やとろろに含まれるβグルカンやアミラーゼ、ミネラル、ビタミンなどに加え、牛タンの良質なタンパク質は暑い夏の健康を守るうえでも欠かせない栄養素です。ぜひ、今年の夏も牛タン×麦飯×とろろで元気に乗り切りましょう。

伊達のくらでは、牛タンはもちろん、簡単に麦飯を作れる押し麦や、仙台名物の南蛮味噌も提供しています。ぜひ、とろろを準備して、ご家庭でも牛タン定食をお楽しみください。

押し麦の画像。食物繊維が豊富で、麦飯が作れる健康的な穀物。白い米と一緒に調理可能。パッケージには2合分が含まれている。

麦飯が作れる「押し麦」

 

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