独特の歯ごたえとかむほどに広がるうま味を堪能できるジューシーな牛タンを、ご自宅でも楽しみたいという方は少なくありません。牛タンというと、仙台名物の厚切りにカットされた「牛タン焼き定食」や、焼肉店で提供される薄切りの牛タン「タン塩」をイメージするケースも多いでしょう。
しかし、牛タンは部位によってシチューや煮込み、ハンバーグなど、さまざまな調理法に利用できる食材です。そのため、スーパーなどで牛タンブロックが売られていたときには購入して、部位の違いを楽しみながら牛タンを丸ごと楽しみたいという方もいるのではないでしょうか。
牛タンブロックを調理する際に気になるのが牛タン特有の臭みです。今回は、ご自宅でも牛タンを丸ごとおいしく食べるために知っておきたい牛タンの血抜きの方法や、臭みを抑える下ごしらえの方法についてご紹介します。
牛タンブロックは血抜きが必要?
牛タンは、牛1頭からわずか1kg程度しか取れない希少な部位であることから、スーパーや精肉店でも国産の牛タンはなかなか手に入りません。ブロックで流通している牛タンの多くは、海外から輸入されています。
輸入された牛タンは冷凍されていることが多く、解凍してそのまま調理すると、臭みを感じるケースが少なくありません。そのため、牛タンブロックを調理する際には、血抜きをすると、臭みを気にすることなく、牛タン本来のうま味をダイレクトに楽しめるようになります。
血抜きとは
血抜きとは、お肉の中から血液を抜き取る作業のことです。魚を釣ったときなどは、エラの付け根あたりにある血管を断ち切り、おいしさを長持ちさせるために血抜きをしますが、お肉の場合も調理の前に血抜きをすると生臭さを抑えられます。
ただし、牛タンの血抜きの場合は魚のように血管を断ち切るわけではありません。牛タンに残っている血管や血液などを取り除く作業が血抜きです。牛タンと同じく、ホルモン(内臓肉)に分類されるレバーの血抜きに近い作業と考えたほうがよいかもしれません。
牛タンの臭みの原因
牛タンの臭みの主な原因は、牛タン内に残った血液です。血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンは空気に触れると酸化し、独特のにおいを放ちます。
実は、牛タンはほかの部位に比べても血管が密集しており、血液が残りやすい部位として知られています。特に、タン下と呼ばれるタンの裏側にあたる部位は、血管が集中している箇所であり、もっとも臭みを感じやすい部位です。また、タン先と呼ばれるタンの先端も、赤身が多く、臭みを感じるケースが多くなっています。
タン下もタン先も繊維が多く、硬めの肉質ですが、うま味が凝縮されている部位でもあります。そのため、煮込み料理やミンチにしてハンバーグなどに入れるとおいしく食べられますが、ご自宅で調理する際にはしっかりと血抜きを行わないと血生臭さを感じ、おいしさを十分に味わえない可能性が出てきます。
牛タンの血抜きをするメリット
調理前に牛タンの血抜きをする最大のメリットは、臭みや雑味を取り除くことで、牛タン本来のうま味を堪能できるようになる点です。また、加熱すると血液は凝固するため、肉が固く感じる場合がありますが、血抜きをすれば血の塊も取り除けるため、食感も改善できるというメリットがあります。
そのほか、血抜きをすると調理をする際にアクが出にくくなるため、牛タンのスープなどを作る際に血抜きをすると、透明度の高い、見た目にもおいしそうなスープを作れます。
牛タンの血抜きのやり方
では、牛タンの血抜きをするには、どのような方法が適しているのでしょうか。ここでは、徹底的に血抜きをする方法、一般的に行われている血抜きの方法、時間をかけずに血抜きをする方法の3つをご紹介します。
血抜きの前にはまず皮を剥く
皮付きの牛タンブロックの場合は、まず皮を剥く必要があります。皮は非常に硬く、弾力があるため、ペットのおやつとして加工されることはありますが、人がおいしく食べるためには時間と手間がかかります。また、皮にも独特の臭みが残っているため、しっかりと取り除きましょう。
牛タンの皮は、包丁を寝かせて、タン先からタン元に向かってそぐように剥いていきます。まずは、タンの上側の皮を剥き、その後、両サイドの皮を剥いたら、最後にタン下部分の皮を剥きます。皮を引っ張りながら包丁を少しずつ動かすと剥きやすくなるでしょう。
しっかり血抜きをする方法
臭みが気になる人は、しっかりと血抜きをすることで牛タンのおいしさを感じやすくなります。
まずは、牛タンを流水で洗い、血液や血の塊、汚れなどを洗い流します。特に、タン下と呼ばれる牛タンの裏には、太い血管や筋が多く残っています。裏側の太い血管には包丁を入れ、血管を引き抜くようにしましょう。血管を切り取る際には、血管の周囲にある血合い部分も切り取ると、より臭みや雑味のない味わいを楽しめます。ただし、血管や血合いを切り取る分、歩留まりは悪くなるというデメリットもあります。
血管を取り除いた牛タンはボウルに入れて、1時間程度、たっぷりの水の中に漬けておきます。放置している間に牛タンの中に残っていた血液が水に流れ出し、徐々にボウルの水が赤くなっていきます。
水を捨て、牛タンを取り出したら、ジッパー付きの保存袋などに入れます。ここに牛タンがひたひたになる程度の水、重曹、食塩を入れ、冷蔵庫で30分~1時間程度寝かせ、牛タンを取り出してよく水洗いをしたら血抜きの完成です。
一般的な血抜きの方法
一般的によく用いられる血抜きの方法は、牛タンを流水でよく洗った後に、塩水に30分~1時間程度漬けておく方法です。3%程度の濃度の食塩水を使用すると、浸透圧の関係から牛タン内に残っていた血液を効率よく抜くことができます。ただし、長時間、塩水に漬けたままにすると牛タンの水分が抜け出したり、塩分が中に入り込んだりする可能性があるため、時間は長くても1時間程度にとどめることが大切です。
時短で血抜きをする方法
じっくり時間をかけて血抜きできない場合は、牛タンを流水でしっかりと洗った後にキッチンペーパーでドリップをしっかり拭き取ります。ドリップが出なくなるまで繰り返しキッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。
また、屋外の場合などは、ポリ袋に水と牛タンを入れて軽くもみ込み、水を替えながら血抜きをする方法もあります。この場合は、水の色が透明になるまで水を替えるとよいでしょう。
牛タンをおいしく食べるための下ごしらえの基本

血抜きが終わったら、牛タンをさばき、おいしく食べるための下処理をします。
牛タンブロックのさばき方
牛タンを横から見ると、血管の部分がくぼんで見えます。この部分から包丁を入れ、タンを上下2つに分けていきます。血抜きの前に血管を除去しなかった場合は、このタイミングで血管を除去します。上の部分は、肉の硬さの変わり目の、触れたときにへこむ部分を目安にカットし、タン元、タン中、タン先に分けておきましょう。
タン下部分には筋が多く入っているため、白っぽい筋を取り除いておきます。
カットと切れ込み
タン元は牛タンの中でももっとも柔らかく、脂がたっぷりと乗ったジューシーな部位です。この部位は、7~10mm程度の厚めのカットが適しています。また、仙台の牛タン焼きのように、表面にタンの厚みの1/3から半分程度まで切れ込みを入れると味もしみ込みやすくなり、熱も均一に通りやすくなります。
くぼみを過ぎたあたりからタン先に向かう部位は、コリコリとした歯ごたえを感じやすい部分であり、薄めのスライスが向いています。
だんだんと弾力が強くなるタン先、上下に分けた下の部分にあたるタン下は、肉質が硬いため、ぶつ切りにして煮込み料理に使うとよいでしょう。筋が多い部分には、繊維を切るように斜めに包丁を入れるとかみ切りやすくなります。
牛タンの臭みを取る食材や調味料
牛タンの血抜きは、牛タンの臭み取りに効果的ですが、さらに臭み消しに役立つ食材や調味料と合わせると、より牛タンをおいしく食べられるようになります。牛タンの臭み消しにおすすめの食材や調味料をご紹介します。
日本酒
日本酒に含まれるアルコールには、揮発するときに不快なにおいを一緒に取り除く効果があります。さらに、日本酒に含まれる独特のよい香りで不快なにおいを包み込む効果も期待できます。また、アルコールには素材を柔らかくする効果もあるため、カットした後に10分程度日本酒に漬けておくとよいでしょう。
ヨーグルト
意外に思うかもしれませんが、ヨーグルトも肉の臭み取りに効果を発揮する食材です。ヨーグルトに含まれる酵素や乳酸菌がお肉の臭みを和らげ、さらに保水効果を高め、お肉をしっとりさせる効果もあります。
砂糖やフルーツなどの入っていないプレーンヨーグルトを牛タンの表面にかけ、1~2時間程度、冷蔵庫で寝かせ、調理の前には水でヨーグルトを洗い流すようにしましょう。
塩こうじ
塩こうじも牛タンの臭みを和らげる調味料です。また、こうじ菌に含まれるプロテアーゼはたんぱく質を分解するため、お肉を柔らかくする効果も得られます。
牛タンに塩こうじをまぶし、数時間、冷蔵庫で寝かせておくとよいでしょう。ただし、薄切りの牛タンに塩こうじをまぶすと、分解が進みすぎる可能性があるため、塩こうじは厚切り牛タンや硬い部位に使用することをおすすめします。また、調理時には塩こうじの塩分にも注意しましょう。
ショウガ
ショウガに含まれるゲラニオールなどの香り成分には、お肉のにおいを包み込むマスキング効果があります。また、生のショウガに多く含まれているジンゲロールにも、肉の臭み成分と結合してにおいを消す働きがあります。
すりおろしたショウガや薄切りにしたショウガを、15分ほど牛タンにまぶすようにするとよいでしょう。
赤ワイン
海外では牛肉を調理する際によく赤ワインを使用します。赤ワインに含まれるタンニンは肉のにおい成分と結合し、臭みを抑えます。また、赤ワインに含まれる有機酸が筋肉の繊維を柔らかくするため、牛タンをふっくらと柔らかくする効果もあります。
赤ワインの渋みや酸味、香りは牛タンの味わいにコクと風味を加えるため、煮込み料理などに向いています。牛タンを赤ワインに漬けるか、煮込む際に赤ワインを加えるとよいでしょう。
味噌
味噌に含まれる大豆たんぱく質は、においを吸着し、味噌特有の風味が肉の臭みをマスキングします。また、味噌に含まれるこうじ菌がたんぱく質を分解するため、お肉を柔らかくする効果もあります。
味噌を酒で薄めて牛タンの表面に塗り、2~3時間程度冷蔵庫で漬け込んだ後、水で味噌を洗い流すかキッチンペーパーで軽く拭き取り、調理します。味噌は焦げやすいため、焼くときには十分に注意するようにしましょう。
牛乳
牛乳も肉の臭み取りに役立つ食材です。レバーも牛乳に漬けることがあるように、牛タンも牛乳に漬けておくと、牛乳に含まれるカゼインがにおい成分を吸着してくれます。また、牛乳に含まれる酵素にはお肉を柔らかくする効果もあります。
牛乳に30分~1時間程度漬け込んだら、牛乳をキッチンペーパーで拭き取ってから調理をします。
血抜きや下処理いらず!手軽に楽しめる伊達のくらの牛タン
牛タンの血抜きの方法や下ごしらえについてご紹介してきました。牛タンをおいしく食べるためには、血抜きや下処理が重要ですが、できれば、もっと手軽に自宅で牛タンを味わいたいという方も少なくないのではないでしょうか?
伊達のくらの牛タンは、すべて丁寧に血抜きや下処理を行っているため、自宅で手間をかけずに、牛タンをお楽しみいただけます。自宅調理にぴったりなおすすめの商品をご紹介します。
牛たん中ブロック
牛タンの中でも適度な柔らかさを持ち、もっともアレンジしやすい部位であるタン中だけをブロック状に切り出しました。スライスして焼肉にも、煮込んでシチューにもできる万能な一品です。
牛たんブロック1本
牛タン原木と呼ばれる、牛タンを丸ごと1本真空パックにした商品です。脂の乗ったタン元からほどよい歯触りを楽しめるタン中、煮込みにすると濃厚な味わいとなるタン先まで、部位ごとの違いを存分に味わえます。
牛たんシチュー
牛タンをトロトロになるまでじっくり煮込んだ牛タンシチューは、ゴロゴロとした牛タンがたっぷり入った食べ応えのある一品です。電子レンジで温めるだけで、臭みのない、うま味たっぷりの牛タンシチューをお楽しみいただけます。牛タンの煮込みが食べたいけれど、忙しくて時間が取れないという方におすすめです。
厚切り大トロ牛たん
希少部位「タン芯」だけを贅沢に使った厚切りの牛タン焼きです。大トロのようなジューシーでとろける味わいは、牛タンのイメージを大きく覆すかもしれません。牛タン専門店ならではの繊細なカットが牛タンのうま味を引き出す逸品です。
まとめ
牛タンブロックを手に入れたときは、血抜きを行うと独特の臭みを抑えられ、ご自宅でも牛タンをおいしく食べることができます。しかし、牛タンの血抜きには手間と時間がかかるのも事実です。
もっと簡単においしい牛タンを自宅で楽しみたいという場合は、ぜひ、血抜きはもちろん、丁寧な下処理によって徹底的に臭みを抑えた伊達のくらの牛タンをご賞味ください。





