ブロック状の牛タンの切り方を知っていますか?
牛タンといえば、焼肉店で提供されている薄切りの牛タンや仙台名物牛タン定食の厚切り牛タンをイメージすることが多いでしょう。牛タンは牛の舌であり、お店で提供されているものはブロック状の牛タンを切り出したものです。
実は、牛タンにはいくつかの部位があり、部位ごとに味わいが異なります。牛タン好きの方には、ぜひ焼くだけではない調理法で牛タンを味わっていただきたく、今回は牛タンブロックの上手な切り方について詳しく解説します。失敗しない解凍方法から部位ごとの美味しい調理法まで分かりやすくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
牛タンブロックの切り方を知るメリット
スーパーマーケットでは、牛タンが販売されているケースもありますが、焼肉用や牛タン定食用にカットされたものがほとんどです。そのため、なかなか牛タンブロックを目にする機会はなく、切り方を知らない方も少なくないでしょう。しかし、切り方をマスターすると、ご自宅でさまざまな牛タン料理を楽しめます。
牛タンを丸ごと楽しめる
牛タンブロックの切り方をマスターすることの1つ目のメリットは、牛タン1本を余すことなく楽しめる点です。牛タン1本は、精肉専門店や業務用のスーパーなどで入手できる場合があります。また、インターネット通販でも牛タンブロックを手に入れることが可能です。部位ごとに風味や味わいが異なる牛タンを丸ごと1本手に入れ、切り出すことができれば、牛タン料理の楽しみ方が一気に広がります。
牛タンブロックはコスパがいい
実は、牛タンブロックのカットには手間がかかります。そのため、スライスされて販売されている牛タンは人件費が上乗せされており、割高な価格に設定されています。
切り方を分かっていれば、割安な価格設定になっている牛タンをブロックで購入できる点も大きなメリットでしょう。ブロック買いをすれば、お得なお値段でお腹いっぱい牛タンを堪能できます。
牛タンブロックを使ったメニューも楽しめる
牛タンブロックから切り出し、部位ごとに適した調理法で牛タンを丸ごと調理すれば、味わいや旨味の違いを存分に堪能できます。カットされている牛タンの場合、薄切りまたは厚切りの選択肢がほとんどです。そのため、調理法の選択肢が限られてしまいますが、ブロックは切り方次第で牛タンを使ったさまざまなメニューにチャレンジできる点も魅力でしょう。
牛タンブロックを切る前の血抜きと下処理について
牛タンブロックは、血抜きや下処理が必要になるケースがあります。
牛タンブロックには血抜きや下処理が必要な理由
牛タンブロックを購入した際、必ず血抜きや下処理が必要になるわけではありません。中には下処理済みの牛タンブロックもあり、加工が済んでいるものであれば、血抜きや下処理は不要です。しかし、牛タン丸ごと1本の原木と呼ばれるブロックの場合は、下処理が必要になります。
原木と呼ばれる状態の牛タンブロックには太い血管や筋などがあり、そのまま調理すると独特の臭いが残ってしまい、牛タンの美味しさを十分に楽しめない可能性があるのです。また、筋を残しておくと非常に硬くなるため、焼いたときに食感に影響します。
牛タンを美味しく食べるためには、血抜きや下処理は欠かせないというわけです。
牛タンブロックの血抜きの方法
牛タンの血抜きの方法にはいくつかのやり方がありますが、しっかりと流水で牛タンを洗った後に、塩水に浸けておく方法が一般的です。ヒトをはじめとした哺乳類の体液の塩化ナトリウム濃度は0.9%であり、牛の体液の塩分濃度も0.9%に保たれています。そのため、0.9%よりも塩分濃度が高い3%程度の食塩水に牛タンを浸けておくと、浸透圧の作用によって血液が外に抜け出し、効率よく血抜きができます。
また、その他の牛タンの血抜きのやり方については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらの記事もご一読ください。
<関連記事>牛タンの血抜きは必要?やり方や下ごしらえの基本をご紹介!
牛タンブロックの切り方を解説
ここからは、牛タンブロックの切り方についてご紹介します。伊達のくらでは、新鮮な状態でお届けできるよう牛タンブロックを急速冷凍した状態で発送しています。そのため、ここでは冷凍の牛タンブロックを解凍するところから、切り方の手順までを写真とともに分かりやすく解説します。
牛タンを解凍する
冷凍の牛タンは、前日に冷蔵庫に移し、じっくりと時間をかけて解凍しておきます。電子レンジでも解凍することはできますが、急速に解凍する場合、どうしてもドリップが流出しやすくなります。ドリップには、水分だけでなく、旨味成分や栄養素も含まれているため、多く出てしまうと、牛タンがパサつき、風味や食感が低下します。牛タンをはじめ、お肉を解凍する際にはできるだけドリップの流出を抑えることが大切です。急激な温度変化はドリップの流出を促進するため、冷蔵庫に移し、じっくりと解凍する方法が、冷凍の牛タンブロックに適した解凍方法です。
また、前日に冷蔵庫に移し忘れてしまった場合などは、氷を入れた水に真空状態の牛タンを入れて解凍することもできます。この方法では低温で解凍するためドリップの流出を防げますが、氷が溶けると温度が上がってしまうため、ときどき状態を確認しながら氷を追加するなどの手間がかかります。冷蔵庫での解凍に比べて手間もかかるため、牛タンブロックを切る際には、計画的に準備を進めるとよいでしょう。
皮を剥く
実は、牛タンには皮があります。牛タンスライスや厚切り牛タンとして提供されている牛タンは、皮をきれいに剥いた後の状態です。牛タンの皮は硬く、独特の臭いがきついため、一般的には皮を取り除いて調理します。
皮を剥く際には、タン先を少し切り落とし、皮と身の間に包丁を寝かすように入れます。包丁が入ったら少し刃先を立て、皮を引っ張りながら皮と包丁を交互に動かし、皮を剥がしていきます。包丁を立てすぎると身の部分も削ってしまうため、できるだけ皮だけを剥くように注意します。牛タンの表側、裏側、両サイドと4つの面の皮剥きが必要です。
ただし、牛タンブロックの中には、皮剥き加工済みのものもあります。皮剥きが済んでいるものであれば、この工程は省略できます。
全体の皮を剥き終わった状態です。
上下に分ける

皮を剥き終えたら、牛タンを上下に分割します。牛タンを裏返しにしてまな板の上に置くと、中央あたりに白い筋のあるくぼみを確認できます。白い筋の多い部分をタン下といいます。くぼみの奥にある血管に沿って包丁を入れていくとタン下を切り離すことができます。
筋を取り除く

分割したタンの表面には、白く硬い膜や薄い膜が残ります。筋部分は繊維が密集しているために硬く、また、臭みの原因となる血液や脂質残りやすい部分であるため、包丁を入れてきれいに取り除きます。

筋の端に包丁の刃先を入れ、筋を引っ張りながら刃を前後に動かし、そぎ取るようにして丁寧に除去していきます。手間がかかりますが、美味しい牛タンを食べるためには大切な工程です。
また、筋部分は焼くと硬くなりますが、じっくり煮込むとコラーゲンがゼラチン化して、とろけるような食感になるため、捨てずに取っておきます。
部位の特徴に合わせてカットする

筋をきれいに取ったら、タン下以外の部分を3つに分けます。最も厚みのある部分が舌の根元にあたるタン元部分です。切り分け時の目安は、全体の1/4~1/3あたりになります。
次に、タン中を切り出します。タン中は、厚みや太さが均一になる部分です。タン元を切った後の残りを、真ん中あたりでカットします。
上の写真が牛タンを4つの部位に切り分けたものです。左からタン元、タン中、タン先、タン下となります。

4つの部位に切り分けたら、部位ごとにカットします。上の写真の左側は柔らかいタン元部分を厚切りにカットしている図です。また、右側は、タン先部分を煮込むためにブロック状にカットしている様子です。
牛タンの部位別の切り方とおすすめの調理法
牛タンは部位によって特徴が異なります。ここでは部位ごとの切り方とおすすめの調理法をご紹介します。
タン元は厚切りの牛タン焼きやステーキに
伊達のくらの厚切り大トロ牛タンにも使われている、脂がたっぷりとのった柔らかい部位がタン元です。タン元は、厚切りにカットし、牛タン焼きや牛タンステーキで食べるのがおすすめです。
牛タン焼きの場合は厚さ1cm前後に切り、表面に数ミリ間隔で斜めの隠し包丁を入れます。裏側にも表と交差するように切れ込みを入れましょう。また、ステーキの場合は1.5cm~2cm程度に切り分け、格子状に切れ込みを入れると、牛タン特有のジューシーさとサクッとした食感を味わえます。
切れ込みは噛み切りやすくするだけでなく、焼きムラを防ぐ効果もあります。ただし、包丁を深く入れすぎると切り落とす恐れがあるため、厚みの1/3程度を目安に切れ込みを入れるとよいでしょう。このとき、包丁は牛タンに対して直角ではなく、斜めに入れることがポイントです。
タン中は薄切りスライスで焼肉
タン中の部位は薄くスライスして、焼くと美味しく食べられます。ただし、タン元に近い部分は柔らかいため、6~7mm程度の厚さにカットすると、いつもの牛タンスライスとはまた違った贅沢な風味を楽しめます。また、切り落とさないように慎重に切れ込みを入れると、噛み切りやすく、溢れる脂の旨味も堪能できます。
タン中でもタン先に近い部分は少し硬めの食感になるため、2~3mm程度の薄切りがおすすめです。表面を軽く炙り、白髪ネギやカイワレ大根、ミョウガなどを巻いて食べると、薬味の風味が牛タンの脂の濃厚さを引き立てつつ、後味をさっぱりと感じさせます。焼肉のタレやレモン、塩、ワサビなど、さまざまな味付けを試し、自分のベストな組み合わせを見つけるのも楽しいものです。
タン先は細かく刻んで炒め物やハンバーグに
舌の先にあたるタン先は草を食むために筋肉が発達しており、筋が多く、硬い部分です。炒め物として食べる場合には、3mm程度の厚さにスライスし、さらに繊維を断ち切るように細切りにすると食べやすくなります。ごま油やニンニクでさっと炒め、ニラやネギなどを加えると、コリコリとした食感がクセになる一品ができます。
また、細かく刻んでハンバーグのタネに混ぜると、食感がアクセントとなり、いつもとは一味違う美味しさを味わえます。
タン下はぶつ切りにしてシチューやカレーに
タン下は、筋が多く、硬いために焼く料理には向いていません。しかし、煮込むと牛タンの濃厚な旨味を味わえるため、一口大に切って、シチューやカレーに入れる調理法がおすすめです。その際には牛タンブロックを切り出したときにとっておいた筋も一緒に入れて煮込むとよいでしょう。
煮込み料理にすると、スープに牛タンの旨味が溶け出し、極上の一品となります。さらに、煮込む際に赤ワインを加えると、タン下特有の臭みが抑えられ、フルーティーな香りが移り、よりお店に近い本格的な味わいとなります。
ただし、タン下の繊維がほぐれるまでには時間がかかるため、じっくり煮込む必要があります。圧力鍋がある場合は、煮込み時間を短縮するために使うとよいでしょう。
牛タンブロックの保存方法
牛タンブロック1本をカットすると、さまざまな料理法で楽しむことができますが、量が多く、一度に食べきれないこともあるかもしれません。最後に、切り分けた牛タンブロックの保存法について解説します。
一度解凍した牛タンは早めに食べきる
冷凍で購入した牛タンブロックを解凍して切り分けた場合は、早めに食べきるようにします。一度解凍したものを再冷凍すると、温度管理の状況によっては食中毒のリスクが高まる可能性があります。また、味や食感も落ちるため、一度解凍したものは、品質や衛生面を考慮し、できるだけ早く食べきりましょう。
食べきれない恐れがある場合は、家族や友人が集まるタイミングで牛タンブロックを解凍し、牛タンパーティーをしてみんなで楽しんでもよいでしょう。
生の牛タンは部位ごとに冷凍保存
生の牛タンブロックを切り分けた場合は、部位ごとに冷凍保存が可能です。冷凍をするときには、キッチンペーパーでドリップをふき取り、ラップで包み込んだうえで冷凍用保存バッグに入れて保存をします。牛タンは空気に触れると、表面が酸化してしまうため、ラップに包むときは空気が入らないようしっかりとラップを密着させて包むことが大切です。
まとめ
牛タンブロックの切り方についてご説明してきました。牛タンブロックを自分でさばけるようになると、部位による味や食感の違いを楽しめます。ぜひ、今回ご紹介した牛タンブロックの切り方を参考に、焼くだけではない、牛タンのさまざまな食べ方にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
伊達のくらでは、職人が見極めた上質な牛タンブロックを丸ごと1本で提供しています。ぜひ、こだわりの調理法で自分好みの味わい方を探してみてください。また、1本は多いけれどブロックを切り分けて牛タン料理を作りたいという方には、タン中だけを詰め込んだ牛タン中ブロックがおすすめです。下処理済みのため、血抜きや皮剥きは必要ありません。ぜひ、ご利用ください。
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