寒くなると食べたくなるのが、お鍋料理です。
特に、たっぷりの野菜とお肉を一緒に食べられるしゃぶしゃぶは、お湯にくぐらせることでお肉の脂がほどよく落ち、ヘルシーな調理法として人気があります。
また、お肉と野菜を準備すれば、自宅で簡単に調理できる点も人気の秘密です。
しかし、おうちでしゃぶしゃぶをするときに、どんなお肉やどこの部位を選べばよいのか悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、しゃぶしゃぶにおすすめのお肉の種類や部位、おいしくしゃぶしゃぶを食べるためのポイントなどについてご紹介します。
しゃぶしゃぶとは
しゃぶしゃぶにおすすめのお肉の部位をご紹介する前に、まずは、しゃぶしゃぶの基本的な情報から確認していきましょう。
しゃぶしゃぶってどんな料理?
しゃぶしゃぶとは、薄切りの肉を卓上の鍋に入れた熱湯やスープにさっとくぐらせ、たれを付けて食べる料理です。
しゃぶしゃぶは、大阪の肉料理店の店主の手によって、昭和27年に開発されました。
当時から肉料理として食べられていたステーキやすき焼きよりもあっさりとした調理法であれば、たんぱく源であるお肉をもっとたくさん食べられるのではないかと考えたのが、しゃぶしゃぶの始まりだといわれています。
今では、すっかり日本料理として定着したしゃぶしゃぶですが、しゃぶしゃぶ用のお肉は、さっとお湯をくぐらせるだけで火が通るように、薄くスライスされているのが特徴です。
現在は、スライサーを使い、均一な薄さにスライスされていますが、しゃぶしゃぶが開発された当初は、大きな包丁を使用し、スライサーではなく職人の手切りで肉を薄く切っていました。
まさに、職人の技が求められるお料理だったのです。
しゃぶしゃぶに使われる定番食材
しゃぶしゃぶは、一般的に牛の薄切り肉を使うものとされています。
しかし、昨今では豚肉のスライスを使った豚しゃぶを食べる家庭が増えているようです。
また、鶏肉を薄切りにした鶏しゃぶ、ラム肉のしゃぶしゃぶなども登場し、さまざまなお肉のしゃぶしゃぶが食べられています。
また、しゃぶしゃぶには野菜もたっぷり使います。
しゃぶしゃぶに使う野菜は、白菜や水菜、しいたけ、えのきだけ、長ネギ、春菊などが定番でしょう。
また、野菜と一緒にお豆腐を入れるケースも多くなっています。
お肉以外のしゃぶしゃぶも
しゃぶしゃぶといえば、お肉料理と思われがちですが、最近では薄切りにしたお魚をさっとお湯にくぐらせるお魚のしゃぶしゃぶも人気です。
海鮮しゃぶしゃぶといえば、思いつくのはフグかもしれません。
しかし、最近では、ブリや鯛、タコなどのしゃぶしゃぶも人気です。また、むき身にしたカニの脚を使ったカニしゃぶも冬の人気メニューとなっています。
海鮮のしゃぶしゃぶを食べる場合も、お肉のしゃぶしゃぶと食べ方は変わりません。
卓上の鍋に魚介類を入れ、さっとお湯にくぐらせたら、小鉢に入れたたれを付け、野菜と一緒にいただきます。
しゃぶしゃぶに適したお肉の部位は?
お肉には、脂身が多い部位もあれば、赤身が多い部位もあります。
また、好みも人それぞれのため、しっかりとした歯応えがおいしいと感じる場合もあれば、柔らかく、とろけるような味わいがおいしいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
では、しゃぶしゃぶには、お肉のどの部位が適しているのでしょうか。
しゃぶしゃぶに使われることの多い牛肉と豚肉の部位や、その特徴についてご紹介します。
ご自宅でしゃぶしゃぶをする際には、ご自身のお好みに合ったお肉の部位を選んでみてください。また、さまざまな部位を食べ比べしてみても面白いかもしれません。
牛肉のおすすめの部位
牛肉の場合、しゃぶしゃぶには次のような部位がおすすめです。
・ロース
ロースは、背中の筋肉部分にあたる部位です。
赤身がメインの脂身が比較的少ない部位で、肉の旨みを十分に味わえます。
また、牛ロースは肩から腰にかけての部分になるため、ロースの中でも部位によって味わいが変わります。
特に、肩ロースと呼ばれる頭に近い部位のお肉は、赤身と脂身のバランスがよく、濃厚な肉の旨みとほどよい食感を楽しめる、しゃぶしゃぶにおすすめの部位です。
・モモ
モモ肉は、牛の後ろ足の付け根から膝までにあたる部位です。
よく動かすために脂肪が少なく、赤身が多いという特徴があり、ヘルシー志向の方にもおすすめです。
赤身が中心のため、味が濃く、肉本来の旨みを楽しめます。
モモ肉と呼ばれる部位の中でも「しんたま」と呼ばれる内モモにあたる部位のお肉は、きめが細かく、柔らかいため、特にしゃぶしゃぶにおすすめです。
・サーロイン
サーロインと聞くと、ステーキを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、サーロインもしゃぶしゃぶに向いている部位です。
サーロインとは、腰の上にある部位です。実は、サーロインは、肩ロース、リブロースと並び、ロースと呼ばれる部位に属します。
サーロインの特徴は、赤身の中に適度に脂肪が入り込み、脂の甘みと肉の旨さの両方を味わえる点です。
ジューシーで柔らかい食感は、しゃぶしゃぶにもぴったりで、お口に入れた瞬間にとろけるような味わいを楽しめます。
・タン
意外かもしれませんが、牛の舌にあたるタンもしゃぶしゃぶにおすすめの部位です。
薄切りのタンをしゃぶしゃぶで食べれば、ほかの部位では味わえない、タン特有の歯触りや弾力とジューシーな旨みを楽しめます。
豚肉のおすすめの部位場合
自宅で食べるしゃぶしゃぶは、実は牛肉よりも豚肉が使われているという調査結果もあるほど、豚肉もしゃぶしゃぶにおすすめのお肉です。
では、豚肉はどの部位がしゃぶしゃぶに向いているのでしょうか。
・ロース
牛肉と同様、豚の背中の部位にあたるロース肉は、しゃぶしゃぶにおすすめの部位です。
赤身と脂身のバランスもよいため、肉の旨みと脂の甘さ、柔らかい食感を十分に楽しめます。
また、ロース肉の中でも肩ロースは、比較的脂身が多く、赤身にも脂身が広がります。そのため、よりコクのある味わいが特徴です。
・バラ肉
豚のあばら骨の周囲、おなか周りにあたる部位にあるバラ肉は、赤身と脂身が三層に折り重なっている様子から三枚肉とも呼ばれる部位です。
脂が多いため、脂の旨みを十分に堪能できる部位でもあります。
しゃぶしゃぶにすると適度に脂が落ちるため、ほどよくジューシーでコクのある、柔らかい味わいを楽しめます。
・モモ肉
豚のモモ肉は、ほとんど脂がない赤身の部位です。
肉の旨みをしっかりと味わうことができ、脂身が少ないため、あっさりとした風味を楽しめます。
ただし、加熱時間が長すぎると硬くなってしまうため注意が必要です。
要注意!しゃぶしゃぶ用お肉選びのポイント
しゃぶしゃぶをおいしく食べるためには、お肉の種類や部位にもこだわる必要がありますが、お肉の選び方にも注意しなければなりません。
おいしいしゃぶしゃぶ用お肉を選ぶために知っておきたいポイントをご説明します。
肉の厚みに注意
しゃぶしゃぶは、さっとお湯にくぐらせて食べる調理法です。
短時間でお肉に火が通るため、脂も適度にお肉に残り、あっさりとしているにもかかわらず十分なコクも楽しめる点がしゃぶしゃぶの醍醐味だといえます。
しゃぶしゃぶならではのおいしさを楽しむためには、お肉の厚さに注意が必要です。
しゃぶしゃぶ用のお肉の厚さは、1mm以内にスライスされているケースがほとんどです。
スーパーなどで売られている一般的な薄切り肉は、1mmよりも厚みがあり、そのようなお肉をしゃぶしゃぶに使うと、火が通るまでに時間がかかります。
また、火を通している間に脂もスープに溶けだしてしまうため、しゃぶしゃぶ用のお肉を選ぶ際にはお肉の厚みにも注意しましょう。
ドリップが出ていないお肉を選ぶ
適量にパックされているお肉から、赤い液体が染み出ているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
この赤い液体はドリップと呼ばれるもので、肉の内部から分離して出てくる液体です。
ドリップには、たんぱく質やビタミン類なども含まれているため、ドリップが出ているお肉は、うま味成分や栄養成分が流れ出し、味が落ちた状態になっています。
お肉を選ぶ際には、ドリップが出ているものは避けるようにしましょう。
色が鮮やかなお肉が新鮮
お肉選びでは、色も新鮮さを見極めるポイントとなります。
艶がなく、パサついたようなお肉や、色が褐色になっているお肉は鮮度が落ちている証拠です。
赤身がきれいで、艶のあるお肉は新鮮であり、しゃぶしゃぶにした際にもおいしく食べられます。
お肉の量も考えて
しゃぶしゃぶをするときはお肉の量も考えなければなりません。
しゃぶしゃぶのメインはお肉であり、お肉が少なすぎれば物足りなさを感じてしまいます。
大人の場合は一人前150グラム、子どもの場合は100グラム程度を目安にするとよいでしょう。
ただし、育ち盛りの子や食欲旺盛な成人男性の場合などは、お肉を一人前200グラム程度と考えておいた方がよいかもしれません。
しゃぶしゃぶをおいしく食べるポイント
おいしいお肉の選び方が分かったら、次はしゃぶしゃぶをおいしく作る調理法も押さえておきましょう。
しゃぶしゃぶのときには、お湯の温度とお肉の入れ方がおいしさを分けるポイントとなります。
お湯は沸騰させないように
沸騰した状態のお湯にお肉を入れると、お肉のたんぱく質に一気に火が通ることでお肉が硬くなり、縮んでしまいます。
また、脂やうま味成分も抜け出てパサついてしまうため、しゃぶしゃぶは70~80℃程度のお湯でゆでることが大切です。
鍋底から小さな気泡が出ている状態が80℃の目安になります。
沸騰してしまった場合は一度水を加え、お湯の温度が上がりすぎないようにしましょう。
お肉の入れ方にも注意が必要
しゃぶしゃぶは、お肉を1枚ずつお箸で入れ、すすぐように鍋で泳がせるのがポイントです。
一気にお肉を入れてしまうとお鍋の温度も下がり、均一に火を通すことができません。
火が通らない部分があるために、長くお湯の中にお肉を入れていると、旨みが抜け出し、パサついた状態になってしまいます。
しゃぶしゃぶをするときには、お肉を1枚ずつ入れ、食べ頃を逃さずに、アツアツをおいしい状態で食べましょう。
しゃぶしゃぶにおすすめのたれ
しゃぶしゃぶをおいしく食べるためには、味付けの基本となるたれ選びも重要です。
基本はポン酢
しゃぶしゃぶのたれといえば、ポン酢です。
ポン酢とはゆずやすだち、かぼす、レモンなどの柑橘類の果汁とお酢でできた調味料ですが、しゃぶしゃぶの場合は、ポン酢にしょうゆや出汁などを加えたポン酢しょうゆが用いられます。
柑橘の爽やかな風味が、しゃぶしゃぶのあっさりとした味わいを引き立たせます。
コクのあるゴマだれも人気
ゴマだれもしゃぶしゃぶのたれの定番です。
ポン酢があっさりした味わいであるのに対し、ゴマだれは練りゴマのコクのある味わいを楽しめます。
マイルドでこってりとした風味のため、ポン酢の酸味が苦手な方でもおいしく食べられます。
しゃぶしゃぶのたれの簡単アレンジをご紹介
しゃぶしゃぶのたれは、アレンジ次第でより自分好みの味に変えられます。
あっさりとした味わいが好きな方は、ポン酢に大根おろしがおすすめです。
また、ガツンとした味わいを楽しみたい方は、ニンニクのすりおろしを加えると、一気に旨みたっぷりのたれになるでしょう。
そのほか、ねぎのみじん切りやコチュジャンなどを加えると、いつものしゃぶしゃぶではなく、韓国風の味わいも楽しめます。
辛味が欲しい場合は、ゴマだれにラー油を加えてみてもよいでしょう。
牛タンしゃぶしゃぶもおすすめ!特別感あふれる伊達のくらの牛タンしゃぶしゃぶをご紹介
牛タン専門店「伊達のくら」のおすすめは、旨みたっぷりの牛タンをしゃぶしゃぶで食べる牛タンしゃぶしゃぶです。
しっかりとした食べ応えと牛タンならではの歯触りを楽しめるよう、職人が試行錯誤を重ね、厚さ1.5mm、長さ18cmのしゃぶしゃぶに最適な大きさの牛タンをご用意しました。
また、4種類の柑橘の絞り汁をブレンドした「塩ポン酢」とゴマの風味とピリ辛さが特徴の「ゴマ味噌」の2種類のたれから、お好みのたれをお選びいただけます。
スライス済みの牛タンとたれが付属しているため、用意していただくものは野菜だけです。
ご自宅で簡単に極上の牛タンしゃぶしゃぶを味わってみませんか?
【牛タンしゃぶしゃぶ(塩ポン酢・ゴマ味噌)】
まとめ:こだわりのお肉でおいしいしゃぶしゃぶを!
しゃぶしゃぶは、お湯やスープにお肉をくぐらせ、お好みのたれに付けて食べる、寒い季節にぴったりの調理法です。
たれもアレンジがしやすいため、少しずつ薬味などを加えて、自分好みのたれを発見する楽しみもあるでしょう。
しかし、何といってもしゃぶしゃぶの主役はお肉です。ご自宅でしゃぶしゃぶを楽しむなら、おいしいお肉を用意しましょう。
しゃぶしゃぶにおすすめの牛肉は、ロースやモモなどの部位ですが、実は牛タンもしゃぶしゃぶにおすすめの食材です。
しゃぶしゃぶでも、ほかの部位とは違う牛タンならではの食感が楽しめます。
ぜひ、伊達のくらの牛タンしゃぶしゃぶをお試しください。