「マルチョウ」という言葉をご存じですか?
焼肉がお好きな方なら、マルチョウという名前に聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
かむとジュワっと染み出るマルチョウのおいしさは、食べる人をとりこにします。
しかし、マルチョウがおいしいことは知っていても、牛のどの部位になるかというと正確には分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マルチョウの部位や味の特徴、おいしい食べ方などについてご説明します。
マルチョウとは
では早速、マルチョウの部位や名前の由来などから見ていきましょう。
マルチョウはホルモンの一つ
まず、マルチョウとは牛の小腸部分にあたる部位で、ホルモンの一種です。
ホルモンといえば臭みが強いイメージがありますが、マルチョウは比較的クセが少なく、脂の甘みが強いため、ホルモンが苦手な人にも食べやすいと人気があります。
焼肉店などで提供されるマルチョウは白く、コロコロとした形をしていますが、牛の長い小腸をカットしているためで、カットする前のマルチョウは細く長い形状です。
牛の小腸は、成牛の場合40mほどの長さに達するといわれています。
マルチョウの名前の由来
マルチョウを漢字で表すと「丸腸」です。
筒状のコロンとした丸い形をした腸であることから、マルチョウと呼ばれるようになったといわれています。
実は、マルチョウは牛の小腸ですが、ただ小腸をカットしているわけではありません。
加工をする際に、ホースのような小腸の裏と表をひっくり返し、内側で外側を包むような形状にしているのです。
マルチョウの別名は?
牛の小腸は、コプチャンやヒモ、ホソなどとも呼ばれます。
コプチャンとは韓国語で小腸を表す言葉であり、ヒモやホソは関西で呼ばれることの多い名称です。
牛の小腸は長くて細いことから、その見た目の特徴によって、ヒモやホソと呼ばれるようになったといわれています。
そのほか、コテッチャンやソッチャンと呼ばれることもあるようです。
実は、牛の小腸がすべてマルチョウと呼ばれているわけではありません。
マルチョウは、その名のとおり丸い形をしています。しかし、焼肉店などで提供される牛の小腸には、マルチョウとは呼ばないものもあるのです。
牛の小腸の中でも、丸いチューブ状の小腸をひっくり返したものをマルチョウと呼ぶことが多くなっています。
マルチョウの味や食感の特徴は?
ホルモン好きの方の中には、マルチョウの濃厚なうまみのとりこになっている方も少なくありません。
マルチョウの味や食感の特徴をご説明します。
脂の濃厚なうまみがマルチョウの特徴
マルチョウの特徴は、脂の甘みとコクを存分に感じられるジューシーな味わいです。
かむほどにお口に染み出る脂のうまみは、マルチョウならではの味わいであり、こってりとした味わいが好きな方にはたまらないおいしさだといえます。
プリプリとした弾力のある食感
マルチョウのもう一つの魅力が、プリプリとした弾力のある食感です。
柔らかいものの、かめばかむほどうまみが染み出る、弾力のあるマルチョウ独特の食感は、ホルモンならではの魅力となっています。
また、マルチョウを焼いて食べるときは、表面のカリカリとした食感と、内側のプリプリとした食感の違いを楽しむことができます。
マルチョウがひっくり返されている理由とは
実は、このマルチョウのうまみの理由は、小腸をわざわざひっくり返している加工に隠されています。
牛の小腸には、腸管の中ではなく、外側に脂が付いているという特徴があります。
そのため、牛の小腸をそのままカットしただけでは、調理中に脂のうまみや甘みが流れ出てしまいます。
そこでマルチョウは、脂のうまみや甘みを余さず楽しめるよう、脂が多い腸管の外側を内側に入れ、中に閉じ込める形状に加工をしているのです。
また、マルチョウは、ひっくり返されていることで腸の内側の汚れをきれいに取り除けるため、ホルモン独特の臭みも抑えられます。
同じ牛の小腸でも、マルチョウとひっくり返されていない小腸を食べ比べると、その味わいの違いに驚くことでしょう。
マルチョウとシマチョウは何が違うの?
ホルモンには、独特な名前が付けられている部位がたくさんあります。
例えば、マルチョウのほかにも「シマチョウ」というホルモンがあります。
マルチョウとシマチョウは何が違うのでしょうか。
マルチョウとシマチョウの違い
マルチョウとシマチョウは、呼び名が似ているために混同されることも多くありますが、シマチョウは牛の大腸にあたる部位です。
表面にシマシマの模様が入っていることから、シマチョウと呼ばれるようになりました。
また、シマチョウはテッチャンと呼ばれることもあります。
テッチャンが大腸を指すことから、小腸を小さいテッチャンの意味でコテッチャンと呼ぶ地域もあるようです。
シマチョウとマルチョウでは、味わいにも違いがあります。
マルチョウは、こってりとした脂のうまみが特徴ですが、シマチョウはマルチョウよりも脂が少ないため、比較的あっさりとした味わいを楽しめます。
しかしながら、マルチョウよりも厚みがあるために、よりしっかりとしたかみ応えを楽しめる部位です。
マルチョウと小腸の違い
マルチョウも牛の小腸ですが、お店によっては小腸とマルチョウを区別している場合があります。
マルチョウは、腸を切り開かずに裏返して筒状の状態になっているもの、小腸は切り開いた状態のものを指すケースが多くなっています。
ただし、マルチョウも牛の小腸であることに違いはないため、どちらも小腸として区別せずに販売されているケースもあります。
おいしいマルチョウを選ぶコツ
焼肉店などでは、マルチョウがメニューに載っていることが多いですが、スーパーなどでマルチョウを見かけるケースはそれほど多くありません。
ただし、精肉コーナーや、ホルモンに力を入れているお店や精肉店などでは、マルチョウが販売されているケースもあります。
また、通信販売でもマルチョウは販売されています。
マルチョウは鮮度が大切
マルチョウに限ったことではありませんが、ホルモンは鮮度が大切な食べものです。
新鮮なものほど臭みがなく、ホルモン本来のうまみをストレートに感じることができます。
マルチョウは、少しピンクがかったような色とツヤが新鮮さを見分ける際のポイントです。
鮮度が落ちてくると、黒ずんで見えるようになってきます。
また、時間が経つと水分が流れ出てしまうため、ハリが失われた状態になり、味も落ちてきます。
パックなどに入っているマルチョウを選ぶ際には、ドリップが出ていないものを選ぶようにしましょう。
色のほか、臭いも鮮度を見極めるポイントの一つです。
時間が経ち、鮮度が落ちたマルチョウからは、酸っぱいような臭いが漂ってきます。
マルチョウを選ぶ際には臭いにも注意してみましょう。
丁寧な下処理がなされているか
おいしいマルチョウを選ぶためには、下処理がしっかりなされているかという点もチェックしなければなりません。
マルチョウをはじめ、牛や豚などの内臓肉に該当するホルモンには、独特の臭みがあります。
臭みの原因は、ホルモンに付着している酸化した脂や汚れです。
マルチョウの場合は、外側に付いている脂肪がうまみのもととなりますが、汚れが付着していると臭みが強く、おいしく食べることができません。
購入後に自分で下処理をすることもできますが、加工されているマルチョウを選ぶ際には、下処理がしっかりなされているかどうかもチェックすることが大切です。
マルチョウをおいしく食べるおすすめの調理法
マルチョウは、焼いても煮込んでもおいしく食べられます。
マルチョウのおいしさをたっぷり堪能できる、おすすめの調理法をご紹介します。
焼いても絶品!マルチョウのおいしい焼き方
マルチョウはホルモン焼きでも人気のメニューです。
マルチョウをおいしく食べるためには、焼き方にコツがあります。
脂がたっぷりのマルチョウは、強火で焼くと表面が焦げてしまうことがあるのです。
マルチョウを焼くときには、弱めの火加減で、コロコロと転がしながら焼くことが大切です。
転がしながらじっくり中まで火を通すと、表面ではこんがりとした香ばしい風味を、内側ではあふれ出す甘い脂の絶妙な味わいを楽しめます。
ポイントは、内側の脂が流れ出ないように気を付けることです。
脂を閉じ込めることで、かんだときに、よりジューシーな味わいを感じられます。
最後に、火を強めて表面を焼くと、外側のカリカリっとした食感を演出することができます。
マルチョウをおいしく食べる最大のポイントは、焼きたてを味わうことです。
焼きたては、内側に閉じ込められた脂が染み出すからこそのうまみを堪能できますが、時間が経つと脂が外に流れ出てしまいます。
マルチョウを食べるときには、中までしっかり火を通し、あふれる脂のうまみを味わえるよう、焼きたての一番おいしいタイミングを逃さないように気を付けましょう。
次の記事では、マルチョウを焼くときにも応用できる、ホルモンのおいしい焼き方を詳しくご説明しています。
ぜひ、マルチョウを焼くときには次の記事も参考にしてください。
<関連記事>
ホルモンは皮から!フライパン、炭火(BBQ)焼き方を調理のプロが伝授|伊達のくら
野菜もたっぷり食べたいならヘルシーなもつ鍋
マルチョウは、もつ鍋にもよく使われる部位です。
もつ鍋を作るときには、軽く下ゆでをすると臭みを抑えられ、あく抜きもできます。
鍋にたっぷりのだし汁を入れ、マルチョウ、キャベツ、ニンニクスライス、鷹の爪を入れて煮込み、最後にニラを加えてさっと火を通して味付けをしたら、うまみたっぷりのもつ鍋を味わえます。
マルチョウの甘い脂と野菜のうまみがスープに溶け出し、手軽においしい逸品が出来上がります。
プリプリとしたマルチョウは、かめばかむほどうまみが染み出し、焼いたときとはまた違うおいしさを楽しめるでしょう。
また、野菜もたっぷりとれるため、日頃、野菜不足を感じている人にもおすすめです。
煮込み料理にもおすすめ
マルチョウは、煮込みにもおすすめです。
マルチョウの煮込みは、マルチョウから出る脂のうまみが、大根やゴボウなどの根菜にも染みわたります。
また、マルチョウは洋風煮込みにも向いています。トマト缶や赤ワインと一緒にじっくり煮込めば、ご飯にもパンにもピッタリの一品が完成します。
もつ鍋同様、マルチョウを使った煮込みは、マルチョウの持つうまみと野菜のうまみが相乗効果を発揮します。
じっくり煮込んだマルチョウは、トロトロの食感となり、とろけるようなマルチョウのうまみに驚くことでしょう。
お家でホルモンを食べるなら「大トロホルモン焼き」を!
伊達のくらの人気商品「大トロホルモン焼き」は、上質な国産牛の小腸を丁寧に処理した一品です。
伊達のくらでは、国産牛の脂の付き具合や触れたときの食感、色、臭いも見極め、最高級の小腸だけを仕入れています。
スーパーなどで販売されている牛の小腸は、輸入牛のものがほとんどです。
伊達のくらの大トロホルモンは、その名のとおり、トロのようなとろける食感が特徴となっています。
国産牛だからこその脂のうまみは、一度食べたらやみつきになる方も少なくありません。
また、一般的な小腸に比べて、2倍程度の大きさにカットしてあるため、うまみを十分に楽しめます。
伊達のくらの大トロホルモン焼きのおいしさの秘密は、製造工程にもあります。
新鮮な小腸を仕入れたら、丁寧に下処理をし、真空パックに詰めて急速冷凍をしているのです。
すべての工程において、衛生管理を徹底し、おいしくかつ安全に楽しめるホルモンを提供しています。
おいしいマルチョウは、焼肉店でなければ食べられないと思っている方もいらっしゃるでしょう。
大トロホルモンは、そんな方にこそお試しいただきたい一品です。
特性の自家製ダレに漬け込んだ国産牛の小腸は、100gずつの小分けになっており、食べたいときに食べたい分だけ解凍してお召し上がりいただけます。
プリップリの食感と、あふれ出す脂のうまみを、ご家庭で存分にお楽しみください。
【大トロホルモン焼き】
まとめ
マルチョウとは、牛の小腸のことです。
牛の小腸は外側に脂が付いているため、食べるときに脂のうまみを閉じ込められるよう、小腸の裏と表をひっくり返す加工をしたものをマルチョウといいます。
マルチョウは、プリっとした食感と内側から染み出る脂のうまみが特徴です。
下処理がしっかりなされたマルチョウは臭みが少なく、ホルモンが苦手な方でも食べやすいといった特徴があります。
今回ご紹介した焼き方を参考に、ご自宅でも外側をカリッと香ばしく焼いた、かめばかむほどうまみが染み出る絶品のマルチョウを楽しんでみてはいかがでしょうか。
その際にはぜひ、伊達のくらの大トロホルモン焼きをご賞味ください。