「お肉を食べるとパワーが出る」「最近、ちょっと疲れ気味だからお肉を食べて元気になりたい」と思うことはありませんか? 健康のためにお肉を控えている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はお肉にはさまざまな栄養が含まれており、健康に生活するには欠かせない食材です。
また、日本でよく食べられるお肉には、牛肉、豚肉、鶏肉があります。同じお肉でも、牛肉、豚肉、鶏肉では含まれる栄養や効能に違いがあることをご存じでしょうか。
今回は、お肉が健康維持に大切な理由や、牛肉、豚肉、鶏肉の栄養の違いなどについてご説明します。
お肉の持つパワー。たんぱく質の役割とは
お肉には、さまざまな栄養素が含まれています。お肉の栄養素の中でも特に注目したいのはたんぱく質です。
たんぱく質の役割
たんぱく質は、筋肉や血液、皮膚、髪、爪など、体のあらゆる組織を作る材料になるとともに、エネルギー源としても使用される栄養素です。また、ホルモンや酵素、抗体など、体のバランスや代謝に関わる物質の材料にもなるなど、さまざまな役割があります。さらに、たんぱく質に含まれるアミノ酸はドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の材料にもなっているので、たんぱく質は心身の健康維持のために欠かせない栄養素だといえます。
お肉は貴重なたんぱく源
お肉は、体に必要な三大栄養素である炭水化物、脂質、たんぱく質のうち、特にたんぱく質を多く含む食材です。。たんぱく質は、アミノ酸が結合したものですが、人間の体を構成するアミノ酸には全部で20の種類があります。そのうち9種類のアミノ酸は体の中では合成できないために食事から摂取する必要があり、このアミノ酸を必須アミノ酸と呼びます。
必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質は良質なたんぱく質と呼ばれますが、必須アミノ酸の組成からたんぱく質を評価する「アミノ酸スコア」が100に近いほど良質であると評価されます。牛肉、豚肉、鶏肉のアミノ酸スコアはいずれも満点の100です。
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質
たんぱく質は、肉や魚、卵、乳製品などに含まれる動物性たんぱく質と大豆や大豆製品などに多く含まれる植物性たんぱく質に分けられます。動物性たんぱく質に比べ、植物性たんぱく質はアミノ酸スコアが低い傾向にあります。しかしながら、動物性たんぱく質に比べると植物性たんぱく質を豊富に含む食品には脂肪が少ないものが多いため、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂取し、食事全体でとれる栄養価を高めることが大切です。
牛肉・豚肉・鶏肉の栄養と特徴について
お肉は良質なたんぱく源ですが、たんぱく質以外にもさまざまな栄養素を含んでいます。また、お肉の種類によっても含まれる栄養素や特徴は異なるため、牛肉、豚肉、鶏肉の違いについて把握しておくと、より効果的に栄養を摂取できるようになるでしょう。
ここでは、牛肉、豚肉、鶏肉のそれぞれの特徴についてご説明します。
牛肉の栄養と特徴
牛肉には、たんぱく質のほか、脂質、鉄分、亜鉛、ビタミンB12などが豊富に含まれています。また、牛肉は脂肪を燃焼させる働きを持つカルニチン含有量が豊富です。
牛肉にはさまざまな部位があり、部位によって含まれる栄養素や味わいも変わります。主な牛肉の部位について見てみましょう。
・モモ
牛モモは、牛の足の付け根の部分のお肉です。よく動かす部位のため、モモ肉は脂肪が少なく、赤身が多いという特徴があります。赤身が多いため、たんぱく質や鉄、亜鉛などの含有量も多く、肉本来のうま味を楽しめる部位です。
・バラ(カルビ)
牛のおなか部分のお肉であるバラ肉は、カルビとも呼ばれ、焼肉でも人気の部位です。モモに比べるとおなか部分は運動量が少ないため、脂身が多くなり、ジューシーな食感と脂肪の甘みを堪能できます。
・ロース
牛ロースは肩から腰にかけての部位のことで、頭に近いほうから肩ロース、リブロース、サーロインの3つに分けられます。肩ロースは適度な食感と脂を楽しめる部位で、リブロースはサシが入った柔らかな食感が特徴です。サーロインも脂と赤身のバランスがよく、ジューシーで溶けるような味わいを楽しむことができる部位で、ステーキによく用いられます。
・タン
牛の舌にあたる牛タンは、コリコリとした独特の食感を楽しめる部位です。舌の根元にあたるタン元は運動量が少ないため柔らかく、脂のうま味を堪能できます。また、舌の真ん中あたりの部位であるタン中は、適度な歯ごたえとジューシーなうま味の両方を楽しめます。運動量の多い舌の先端部分にあたるタン先は、脂肪が少なく、筋肉が多いため硬い部位ですが、煮込むと筋肉がほぐれ、濃厚なうま味を味わえる部位です。
<牛肉の部位ごとの100gあたりの栄養素>
|
単位 |
モモ |
バラ |
リブロース |
タン |
エネルギー |
kcal |
235 |
472 |
514 |
318 |
たんぱく質 |
g |
19.2 |
11.0 |
9.7 |
13.3 |
脂質 |
g |
18.7 |
50.0 |
56.5 |
31.8 |
鉄 |
mg |
2.5 |
1.4 |
1.2 |
2.0 |
亜鉛 |
mg |
4.0 |
3.0 |
2.6 |
2.8 |
ビタミンB1 |
mg |
0.09 |
0.04 |
0.04 |
0.10 |
ビタミンB12 |
μg |
1.2 |
1.2 |
1.1 |
3.8 |
ナイアシン |
mg |
5.6 |
3.1 |
2.4 |
3.8 |
パントテン酸 |
mg |
1.09 |
0.74 |
0.35 |
0.68 |
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
豚肉の栄養と特徴
豚肉にはたんぱく質のほか、ビタミンB群が豊富に含まれています。特に、糖質の代謝に関わるビタミンB1の含有量が多いのが特徴です。ビタミンB1は疲労回復ビタミンと呼ばれることもあり、ビタミンB1が不足すると疲れや倦怠感などが現れるといわれています。
豚肉も牛肉と同様、さまざまな部位があります。主な部位の栄養と特徴についてご紹介します。
・モモ
後ろ足の付け根にあたる部位です。運動量が多い部位のため、脂肪が少なく、きめ細やかな肉質が特徴となっています。赤身が多いため、たんぱく質や鉄分の含有量も多く、ヘルシーな部位として人気です。
・バラ
アバラ骨周辺の濃厚な脂の旨さを感じられる部位です。赤身と脂身が交互に重なり、3層に重なっていることから三枚肉と呼ばれることもあります。薄切りは焼肉や炒め物に、固まり肉は角煮などの煮込み料理に用いられる人気の部位です。
・ロース
胸から腰あたりまでの背中側の部位です。赤身と脂肪のバランスが良いため、肉のうま味と脂の甘みの両方を楽しめます。また、適度な歯ごたえも感じられる部位であり、ポークソテーやとんかつなどにもよく使われています。
・ヒレ
ロースの内側にある部位で、きめ細やかな赤身が特徴の部位です。脂肪はほとんどありませんが柔らかく、あっさりとした味わいを楽しめます。赤身が多いため、たんぱく質やビタミン類なども多く含まれ、ヘルシーな部位として人気です。
<豚肉の部位ごとの100gあたりの栄養素>
|
単位 |
モモ |
バラ |
ロース |
ヒレ |
エネルギー |
kcal |
171 |
398 |
248 |
118 |
たんぱく質 |
g |
20.5 |
13.4 |
19.3 |
22.2 |
脂質 |
g |
10.2 |
40.1 |
19.2 |
3.7 |
鉄 |
mg |
0.7 |
0.6 |
0.3 |
0.9 |
亜鉛 |
mg |
2.0 |
1.6 |
1.6 |
2.2 |
ビタミンB1 |
mg |
0.90 |
0.45 |
0.69 |
1.32 |
ビタミンB12 |
μg |
0.3 |
0.11 |
0.3 |
0.5 |
ナイアシン |
mg |
6.2 |
4.2 |
7.3 |
6.9 |
パントテン酸 |
mg |
0.84 |
0.62 |
0.98 |
0.93 |
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
鶏肉の栄養と特徴
鶏肉も、牛肉と豚肉と同様、良質なたんぱく質を豊富に含む食材です。また、鶏肉には、目や皮膚の粘膜を健康に保つビタミンAや、抗酸化作用によって疲労を軽減する効果があるとされているイミダゾールペプチドが多く含まれています。
牛肉や豚肉に比べると、鶏肉は脂質が少ないため、高たんぱく低脂肪の食材として人気です。
鶏肉の各部位ごとの栄養素と特徴をご紹介します。
・モモ
鶏の足の付け根から先にかけての部位です。運動量が多い部位であることから、しっかりとした歯ごたえを感じられますが、適度な脂肪もあり、うま味とコクを楽しめます。唐揚げなどに使われることが多い部位です。
・ムネ
胸の部分にあたり、脂肪が少なく、さっぱりとした味わいと柔らかい食感が特徴です。たんぱく質が豊富であり、イミダゾールペプチドも多く含まれています。蒸し鶏や唐揚げなどに用いられています。
・ササミ
胸に近い部位にあり、牛肉や豚肉のヒレに該当する部分です。脂肪が少なく、たんぱく質が豊富な部位で、ムネと同様にあっさりとした味わいを楽しめます。柔らかい肉質でフライや蒸し鶏などに使われることが多くなっています。
また、糖質や脂質、たんぱく質の代謝、DNAの修復などの働きを持つナイアシンが豊富に含まれる部位です。
・手羽
鶏の翼部分にあたる部位で、手羽は翼の先端部の手羽先、胸と翼をつなぐ付け根部分の手羽元に分けられます。骨付き肉であり、脂肪やゼラチン、コラーゲンなどが多く含まれています。スープなどの煮込み料理に使用したり、揚げたり、焼いたりと、さまざまな調理法で楽しめる部位です。
<鶏肉の部位ごとの100gあたりの栄養素>
|
単位 |
モモ |
ムネ |
ササミ |
手羽 |
エネルギー |
kcal |
234 |
229 |
107 |
182 |
たんぱく質 |
g |
17.3 |
19.5 |
24.6 |
23.0 |
脂質 |
g |
19.1 |
17.2 |
1.1 |
10.4 |
鉄 |
mg |
0.9 |
0.3 |
0.6 |
1.2 |
亜鉛 |
mg |
1.7 |
0.7 |
2.4 |
1.7 |
ビタミンB1 |
mg |
0.07 |
0.05 |
0.09 |
0.04 |
ビタミンB12 |
μg |
0.5 |
0.3 |
0.1 |
0.7 |
ナイアシン |
mg |
3.8 |
7.9 |
11.0 |
3.3 |
パントテン酸 |
mg |
1.57 |
0.97 |
1.68 |
1.33 |
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
こんなときは牛肉・豚肉・鶏肉のどれを選ぶべき?
牛肉、豚肉、鶏肉に含まれる栄養素や特徴を知っていれば、シーンに合わせて適切なお肉を選ぶことができます。ここでは、いくつかの場面にぴったりなお肉の選び方をご紹介します。
ダイエットをしたい
ダイエットのときもたんぱく質は重要です。ダイエット中だからといってお肉を摂取しないと、筋肉量が減るため脂肪を燃焼させられません。ダイエットをしたいときは、高たんぱく・低脂肪の鶏のムネやササミ、豚のヒレなどがおすすめです。ただし、鶏の皮には脂肪が多いため、鶏ムネを食べるときには皮は取り除いたほうがよいでしょう。
また、牛肉の赤身に多いカルニチンは脂肪燃焼効果が期待できるため、脂肪の少ないモモやヒレなどがダイエットには向いています。
疲れがなかなか抜けないとき
疲れを感じているときは、ビタミンB1が豊富な豚肉やイミダゾールペプチドが含まれる鶏肉がおすすめです。ネギやニラ、ニンニクなどに含まれるアリシンは、ビタミンB1の吸収をサポートするため、豚肉や鶏肉と上手に組み合わせて効果的に疲労を回復させましょう。
貧血気味のとき
女性に多い貧血は、多くの場合、ヘモグロビンの構成成分である鉄の不足が原因で起きる鉄欠乏性貧血です。牛肉は赤身部分に多くの鉄分を含みます。特に、牛モモ肉や牛タンには鉄が豊富に含まれているため、貧血気味のときには、牛肉を意識的に摂取することをおすすめします。
スポーツ時のパフォーマンスを上げたいとき
疲労がたまっているようであれば鶏肉や豚肉、筋肉を増やしたいときは筋組織の成長をサポートする亜鉛が多く含まれる牛肉など、目的に合わせてお肉を選ぶとよいでしょう。鶏肉や豚肉、牛肉はいずれも良質なたんぱく質ですが、脂肪のとりすぎはパフォーマンスに悪い影響を与える恐れもあるため、脂肪の少ない部位を選ぶことをおすすめします。
伊達のくらオンラインショップで下処理なしのおいしいお肉を
伊達のくらオンラインショップでは、下処理が不要で、すぐに調理できるおいしいお肉を取り扱っています。伊達のくらがおすすめするお肉をいくつかご紹介します。
〇大トロ牛タンセット
牛1頭から200gしか取れない希少なタン芯のみを使用した最高級の牛タンに、南蛮味噌、白菜のお漬物、押し麦をセットにした一品です。ご自宅で手軽に仙台名物の牛タン焼きをお楽しみいただけます。
〇国産牛もつ鍋セット
トロホルモンとも呼ばれる国産牛の小腸のみを使用したもつ鍋セットです。プリプリとした食感を堪能できるよう、ホルモンは大きめにカットしています。また、3種類のスープからお好きな味を選べます。
〇贈り物にも。焼肉詰め合わせセット
大トロ牛タン塩味、大トロ牛タン味噌味、牛ハラミ、牛カルビ、ホルモン塩味、ホルモン醤油味がセットになっています。すべて下味付きですので、焼くだけで簡単にお家焼肉が楽しめます。贈り物にもおすすめのセットです。
〇牛カルビ・牛ハラミセット
料理長秘伝のタレに漬け込んだ柔らかくてジューシーなハラミと、脂のうま味をたっぷり感じられる牛カルビのセットです。1パック250gのちょうどよい量で、半年間冷蔵庫で保存ができるためストックとしてもおすすめです。
〇厚切り豚タン塩味
国産の豚タンをオリジナルの塩だれに漬け込みました。牛タン専門店としてのノウハウを生かし、厚みがあるのにサクッとかみ切れる、極上の一品です。牛タンに比べると脂肪が少ないため、さっぱりとした味わいを楽しめます。
〇国産鶏せせり
せせりとは、鶏の首まわりの部位です。1羽から20gしか取れない希少部位であり、弾力のある歯ごたえと、ジューシーな脂のうま味の両方を楽しめます。レモンペッパー味とガーリックペッパー味からお好きな味を選べます。
まとめ:お肉のパワーを生かしておいしく健康生活!
お肉は、良質なたんぱく質を豊富に含む食材です。たんぱく質は、筋肉や臓器、爪、髪の毛など人の体のあらゆる組織だけでなく、ホルモンや酵素、神経伝達物質などの材料となる体に欠かせない栄養素です。たんぱく質が不足すると、疲れやすくなったり、肌荒れが起きたりといったトラブルが現れます。
牛肉、豚肉、鶏肉にはそれぞれ特徴があり、豊富に含まれる栄養素も変わってきます。それぞれのお肉の特徴を把握しながら、おいしいお肉を楽しみ、健康な毎日を送りましょう。
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