妊娠中は、体調も変わりやすく、食べたものがお腹の赤ちゃんの栄養にもなるため、いつも以上に食事に気を付ける方が多いはずです。牛タンをはじめとした牛肉には、トキソプラズマが寄生している可能性があり、妊娠中に牛タンを食べても大丈夫なのか不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠中に知っておきたい牛タンの疑問や、牛タンを食べる際に気を付けたいポイントについてご説明します。
妊娠中に牛タンを食べるのは危険?
妊娠中の牛タンの摂取に不安を抱いている妊婦さんもいらっしゃいますが、適切な方法で加熱調理をした牛タンであれば、妊娠中に食べても何ら問題はありません。
妊娠中に牛タンを食べても大丈夫!
牛タンは、妊娠中に食べても問題はありません。牛タンには妊婦さんが摂取したい栄養素も豊富に含まれているので、適量を適切な方法で食べるのであれば、牛タンは妊娠中に積極的に摂取したい食材です。
牛タンとトキソプラズマの関係
妊婦さんが牛タンに不安を抱く理由の1つには、トキソプラズマの感染リスクが関係しているのではないでしょうか。
トキソプラズマとは、豚やヤギ、ヒツジ、鶏、牛などの家畜を中間宿主とする寄生虫です。妊娠中にトキソプラズマに感染した場合は、流産につながる恐れもあり、生まれてくる赤ちゃんに先天性トキソプラズマ症をもたらす可能性があります。
しかしながら、内閣府の食品安全委員会では、67℃以上で1~2分加熱する、または-20℃で8時間以上冷凍した場合、トキソプラズマは死滅するとしています。従って、牛タンを食べるときにも、十分に加熱調理をし、中までしっかりと火を通せばトキソプラズマの感染を心配する必要はありません。
参考:内閣府食品安全委員会 食品安全総合情報システムhttps://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03050660314
妊娠中に牛タンを食べるときの注意点
妊娠中に安心して牛タンを食べるためには、次のポイントに注意しましょう。
食中毒やトキソプラズマの感染予防のため、必ず加熱する
前述したように、稀ではありますが、牛肉を通してトキソプラズマに感染する可能性もあります。そのため、妊娠中に牛タンを食べるときには、トキソプラズマ感染のリスクを抑える方法として、十分に加熱することが大切です。
牛タン焼きやタンシチューなどを調理する際には、しっかり中まで火が通ったことを確認するようにしましょう。ローストビーフも加熱調理にはなりますが、加熱時に内部が67℃以上にならないケースが多く、しっかり中まで火が通っていない可能性があるため、牛タンを使ったローストビーフを妊娠中に食べることは控えた方が賢明です。
また、生肉の摂取はトキソプラズマ感染のリスクだけでなく、カンピロバクターやサルモネラ菌、腸管出血性大腸菌などによる食中毒のリスクにもつながります。牛タンはもちろんですが、妊娠中に肉を食べる際には、必ず加熱調理をしてから食べるようにしましょう。
カロリーと塩分の摂りすぎに注意する
妊娠中は、お腹の赤ちゃんに栄養を届けるためにも、しっかりと食事を摂る必要があります。しかしながら、妊娠中に体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まり、赤ちゃんに十分な酸素や栄養が送れなくなってしまう可能性があるため、カロリーの摂りすぎにも注意が必要です。
また、塩分の摂りすぎも、妊娠高血圧症候群につながる恐れがあります。牛タンの味付けをする際には、塩分も控えめにするとよいでしょう。
牛タンには妊娠中に摂りたい栄養素が豊富
牛タンには、妊娠中に摂りたい栄養素が豊富に含まれています。牛タンに含まれている主な栄養素をご紹介します。
・たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や内臓、皮膚などの構成成分であり、身体の機能を調整する酵素やホルモンの原料ともなります。妊娠中は、普段よりもたんぱく質を多めに摂取することが推奨されています。
成人女性の場合、1日当たりのたんぱく質の摂取量は50gが目安ですが、妊娠中期には55g、妊娠後期には75gを摂取することが推奨されています。
牛タン100g当たりのたんぱく質含有量は13.3gです。したがって、牛タン焼き1人前の標準的な量である牛タン150gを1食で食べたとすると、約20gのたんぱく質を摂取できることとなります。これは、妊娠中の方が1日に必要なたんぱく質量の約1/3に該当する量です。
妊娠中はたんぱく質を積極的に摂るべきですが、肉に含まれる脂肪分も気になるところです。しかし、牛タンはカルビなどの他の部位に比べれば脂質が少ない点も、妊娠中の方に向いている食材だと言えるでしょう。
・鉄分
妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんにも酸素を送るため、赤血球の量が増え、鉄欠乏性貧血に悩まされるケースは少なくありません。鉄欠乏性貧血は、鉄分が不足することで発生し、鉄欠乏性貧血が重度になると生まれてくる赤ちゃんが低体重になるリスクがあります。
妊娠中は、初期には9.0mg、中期・後期には16.0m~21.0㎎の鉄分の摂取を推奨されています。妊娠していない状態の鉄の推奨摂取量は6.5mgのため、妊娠中期・後期には普段の倍以上の鉄分を摂取する必要があるのです。
牛タン100gに含まれる鉄の量は2.0mgです。牛タン150mgを食べた場合、1食で3.0mgの鉄を補給できます。また、牛タンに含まれる鉄はヘム鉄と呼ばれ、ホウレンソウなどの野菜に含まれる非ヘム鉄に比べると何倍も吸収率が高くなります。したがって、牛タンに含まれるヘム鉄は、身体に効率よく吸収され、鉄分が通常よりも必要となる妊娠中には積極的に摂りたい栄養素だと言えます。
・ビタミンB群
ビタミンB群も牛タンに多く含まれている栄養素です。ビタミンB2は、脂質、糖質、たんぱく質をエネルギーに変える際のサポートをする役割がある栄養素であり、「発育のビタミン」としても知られています。ビタミンB2は、妊婦さんだけでなく、お腹の赤ちゃんの皮膚や粘膜などの発育にも関わるため、妊娠中は通常時よりも多くのビタミンB2が必要です。
また、ビタミンB6は、たんぱく質の元となるアミノ酸の代謝に必要な栄養素であり、つわりの軽減にもつながると期待されています。
牛タンと一緒に摂りたい栄養素と食物繊維
たんぱく質やビタミンB群、鉄分の他にも妊娠中には積極的に摂取したい栄養素があります。それが葉酸とカルシウムです。また、厳密には栄養素には含まれませんが、食物繊維も妊娠中には積極的に摂りたいものです。
葉酸
葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB群の1つです。DNAやたんぱく質の合成に関わる栄養素で、細胞の分裂や成熟にも関わります。また、早期胎盤剥離を防止したり、胎児の神経管閉鎖障害を防止したりする役割もあるため、妊娠中は積極的な摂取が必要となります。妊娠中は、1日当たり通常時の2倍である480㎍の葉酸酸の摂取がおすすめされています。
牛タンにも葉酸は含まれますが、その量は100g当たり14㎍です。葉酸は、ブロッコリーやアスパラガス、枝豆、海藻、卵、レバーなどに多く含まれていますので、牛タンを食べるときには葉酸を多く含む食材を合わせるとよいでしょう。
カルシウム
カルシウムの推奨摂取量は、1日当たり650mgです。妊娠中は赤ちゃんの骨を作るためにカルシウムを使用するため、カルシウムの体内への吸収率が上昇すると言われています。
妊娠中に摂るべきカルシウムの摂取量は1日当たり650mgと普段と変わりませんが、カルシウムは日頃から不足しがちな栄養素であるため、妊娠中は牛乳や乳製品、豆腐、小魚などをより意識して摂るようにするとよいでしょう。
食物繊維
妊娠中はホルモンバランスが変化したり、子宮が腸を圧迫したりするため、便秘になりやすくなります。食物繊維は豆類や野菜、キノコ、海藻などに多く含まれています。牛タン定食の定番である麦ごはんの麦には、食物繊維が豊富に含まれているので、牛タンを食べる際には、白米に麦を追加することをおすすめします。また、野菜やキノコなどのサラダやスープを添えてもよいでしょう。
妊娠中におすすめの牛タンの食べ方
妊娠中でも安心して牛タンを食べるためには、調理の過程にも気を付けることが大切です。
牛タンを解凍するときには冷蔵庫で自然解凍を
冷凍の牛タンを食べる場合、中までしっかり解凍できていないと、焼きムラが発生する可能性があります。妊娠中でも安心して牛タンを食べるためには、冷蔵庫での解凍をおすすめします。前日、または朝のうちに冷蔵庫に移しておけば、半日程度で自然解凍ができます。
電子レンジ解凍は、解凍ムラが生じる恐れがあるとともに、ドリップも出やすく、旨みも失われてしまいます。また、常温での解凍は食中毒のリスクが高まるため、絶対に避けなければなりません。美味しく牛タンを食べるためにも、冷凍の牛タンは冷蔵庫で解凍するようにしましょう。
牛タンを焼く前には常温に戻す
冷蔵庫で解凍した牛タンをそのまま焼くと、中までしっかり火が通る前に表面が焦げてしまう恐れがあります。また、中まで火を通そうと焼き過ぎると、肉が硬くなってしまいます。牛タンを焼く前には、調理の少し前に冷蔵庫から出して常温に戻すことが大切です。冷蔵庫から出す目安は、夏場であれば20分ほど、冬場であれば30分ほどを目安としましょう。
調理器具の取り扱いにも注意
牛タンを焼く際には、専用のトングや菜箸などを使用し、生肉に触れた調理器具で調理後の牛タンに触れないようにしましょう。また、牛タンをカットする際に使用したまな板や包丁などもしっかりと洗い、手も石鹸で洗うなどして、食中毒には細心の注意を払うことが大切です。
妊娠中の牛タンに関する疑問をまとめて回答
妊娠中でも牛タンを楽しみたいけれど、妊娠中だからこそ、食べ物には気を付けたいと思う妊婦さんも少なくないはずです。ここでは、妊娠中の牛タンに関する疑問についてまとめて回答します。
スモークタンは妊娠中に食べても大丈夫?
牛タンのスモークは、スーパーなどでも気軽に購入できるため、おつまみとしても人気があります。日本で販売されているスモークサーモンは、低い温度で燻煙する方法を取りますが、スモークタンは、一度しっかり茹でたり、加熱したりしてから燻煙するものがほとんどです。そのため、スモークタンは妊娠中に食べても問題はありません。ただし、開封後に時間が経つと雑菌が繁殖する恐れもあるため、開封後はできるだけ早めに食べるようにしましょう。
つわりのときに牛タンを食べたくなったら?
つわり中は、食べられるものが限られます。中には、つわり中でも牛タンだったら食べられるのではと思う妊婦さんもいらっしゃるでしょう。つわり中に牛タンを食べても問題はありません。ただし、つわり中は消化器官に負担をかけないように、少量ずつ、よく噛みながら食べることをおすすめします。
妊娠中は牛タンととろろを一緒に食べても平気?
妊娠中に牛タンを食べても問題はありません。しかしながら、牛タン定食のようにとろろを一緒に食べる場合には、長芋や山芋をしっかり洗うか、皮を剥いてからすりおろすようにしましょう。また、とろろは過熱しない状態で食べるため、鮮度が落ちると食中毒を招く恐れもあります。山芋や長芋を購入した際には、鮮度に注意し、できるだけ早めに食べるようにしましょう。
まとめ:牛タンは妊娠中に食べても大丈夫!
牛タンは妊娠中に食べても問題はありません。牛タンには、妊娠中に必要なたんぱく質や鉄分、ビタミンB群なども豊富に含まれており、妊婦さんにもおすすめの食材です。ただし、牛タンを食べるときには、しっかりと中まで十分に火を通してから食べるようにしましょう。また、牛タンは他の部位に比べれば脂質は比較的少ない部位ですが、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を避けるため、食べすぎには注意し、適量を食べることが大切です。
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